2012年バックナンバー
企業内弁護士
「企業内弁護士」が増えているそうです。
その昔は、企業内弁護士といえば、外資系企業が、顧問弁護士と顧問契約を締結するよりも、自社社員として弁護士として雇用し、効率的に動いてもらう、そのかわり、待遇は社員より格段にいいというものでした。
なお、私の同期司法修習生に、東京大学法学部在学中に、司法試験は合格したものの、一部上場企業に会社員として就職し、「やはり資格がないと」ということで、司法修習をして弁護士資格を取得し、出身会社の法務部長として戻り、最終的には、専務取締役まで出世したという方がおられます。
その昔は「企業内弁護士」は、ある意味「花形」といえたかもしれません。
弁護士数が増えて、「企業内弁護士」の意味が変容してきています。
北陸銀行は、平成24年1月、新人弁護士3人を新入社員として初採用したという報道がありました。
給与待遇は、大学院卒の総合職と同じで、初年度は年収約300万円(時間外手当除く)と、一般社員並で、弁護士という「プレミアム」は全くなしです。
ただ、弁護士会の会費など「経費」年約100万円は会社負担するそうですが、「実入り」は年収約300万円です。
ずいぶん高いと調べてみますと、富山県弁護士会会費の年額は84万2000円、給与として支払うのでしょうから、給与増加分の税金が高くなることを考えて、100万円としているかもしれません。
弁護士の価値も落ちたものです。
銀行など金融機関、一流家電メーカー、一流薬品メーカーあたりは「ともかく」として、岡山市の自動車教習所の社内弁護士などというと、「?」がつきます。
そのうち、パチンコ店やラブホテル経営会社なども「社内弁護士」として就職する人がでるかもしれません。
弁護士の就職難は「深刻」のようです。
ただ、一般社員待遇の「社内弁護士」になるため、司法試験に合格して弁護士になったのでしょうか。