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2012年バックナンバー

うるう秒

うるう秒の廃止について協議していた国際電気通信連合(ITU)の無線通信総会は、平成24年1月19日、「うるう秒」の廃止について議論しまし結果、さらなる調査が必要として決定を延期しました。

 廃止派は米国、日本、フランスなど、存続派はイギリス、カナダ、中国などだったそうですが、合意に達せず、「時間切れ」になったそうです。

 「秒」の基準は2つあるそうです。

 一つは、原子時計で定義された秒を基礎に置いた時刻で、国際原子時 (TAI) と呼ばれています。
 1秒とは「セシウム133原子の2つの超微細準位間の遷移に対応する電磁波の9192631770周期に相当する時間」と定義されています。
 一躍「有名」になった「セシウム」ですが、原子時計に用いられるセシウムは放射線ををだしません。

 もう一つは、世界時(UT)は、太陽の公転を観測し、1太陽年の 1/31556925.9747とする」というものです。スタートは計算上の「1900年1月0日12時」からとなっています。
 60秒×60分×24時間×365.25日と概算で計算すると「3155760」となりますが、「1/31557600」と「31556925.9747」とは違います。

 太陽の公転は、地球の自転を観測して決められるそうですが、種々の要因により、地球の自転周期は一定しておらず、長期的には海の干満の影響で地球の自転周期は少しずつ長くなっている一方、スマトラ島沖地震や東北地方太平洋沖地震の際には、自転がわずか早まったと言われています。

 国際原子時と世界時とのずれを補正するために、国際原子時に閏秒を導入したものがこの協定世界時(UTC)です。

 協定世界時が、世界中の法的な時刻の基礎となり、これが全世界的な時間です。

 昭和33年から、国際原子時 (TAI)の、世界時(UT)とのずれが0.9秒を超えると、うるう秒として1秒が挿入あるいは削除(削除されたことはありません)されることになっています。
平成24年1月22日時点で34回うるう秒が挿入されています。
 日本時間では1月1日か7月1日の午前8時59分59秒の後に、普段使わない「午前8時59分60秒」が挿入され、次が「午前9時00分00秒」となります。


 結局、うるう秒廃止の議論は、「うるう秒廃止」は、コンピューター内部の時計が誤作動する恐れがあり、誤作動は株の売買や、電子認証などのトラブルにつながる可能性がある、いっそ止めてしまえという議論です。

 冒頭のとおり、うるう秒廃止は、現状維持となりました。
 ということは、廃止されるまで、うるう秒が続くことになります。
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