2011年バックナンバー
客観的
弁護士さんの仕事ぶりや考え方をみていると、どちらかというと「依頼者と同じように喜び、悲しむ」という方と、どちらかというと「依頼者は依頼者、弁護士は弁護士。依頼者と同じように喜び、悲しんでいるという『ふり』をしているだけ」というタイプに分かれます。
もちろん、依頼者の勝訴は、自分の成功報酬につながり、依頼者の敗訴は、成功報酬なしにつながるわけですから、利害は基本的に一致します。
依頼者の勝訴を喜び、依頼者の敗訴を悲しむというのは当たり前といえば当たり前です。
ただ、やはり「プロ」ですから、主張の優劣、証拠の優劣の判断などは、客観的かつ冷静に行い、強気に出る事件は強気に出て、不利な事件は傷が浅くなるよう、できるだけ有利な条件の和解に持っていくことも必要ですね。
私も、「私は自分自身を客観的に見ることができるんです」と言えるようになりたいですね。
ただ「あなたとは違うんです」というのはまずいと思います。
マスコミ関係の人に能力のないのは、ごく一部少数の人を除いて当たり前のことで、かけひきで、「能力のある人」に対し「能力がない」というのはかまわないのですが、「本当に能力のない人」に対し「能力がない」と正直に言うのは、少なくとも、相手をいたわる気持ちや、日本的な「奥ゆかしさ」に欠けているような気がします。
「それをいっちゃあおしまいよ」という感じですね。