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2011年バックナンバー

サマータイム

日本で、サマータイムの実現の構想が出てはつぶれ、出てはつぶれたりしています。
 過去に日本でもサマータイムの実施がされたことがありましたが、不評で元に戻ってしまったそうです。

 実施国は、欧米諸国など、日本人が「先進国」と考えている国、ほとんどすべてといっていいと思います。

 制度は、日照期間の長い夏の間だけ、1時間時計の針を進めるというものです。
 いつからいつまで「1時間時計の針を進める」のかは国によって違います。
 ただ、どこの国でも「サマータイム」の期間より、「通常時間」の期間より長いこと、つまり、「サマータイム」が原則に近いことになります。

 サマータイムの経済効果は、基本的には太陽の動きに合わせた生活をすることです。
 つまり、明るくなったら起きて、暗くなったら寝るという生活です。夏の間は1時間早めましょうということですね。

 本来なら夜の時間であるべき時間が1時間遅くなり、夜間の照明の節減効果があります。その他には、家に早く帰る分、家族との外出が増えて、外食産業やスーパーの売り上げが伸びるといわれています。
 「まだ明るいから仕事をしよう」、「明るいうちは仕事をしよう」では話になりません。

 サマータイムは「まだ明るいから仕事をしよう」、「明るいうちは仕事をしよう」というふうにならなければ、合理的な制度だと思っています。
 だからこそ、「先進各国」が、サマータイム制度を導入しているのでしょう。
 日本を除く「先進各国」には「まだ明るいから仕事をしよう」、「明るいうちは仕事をしよう」という土壌がありません。

 日本も導入すべきであるというのが私の意見です。
 ドイツで2年暮らしていたとき、「合理的」な制度と思いました。
 年2回の切替え時に多少のトラブルはあるでしょうが、許容範囲内でしょう。1度、切替えの日に夜行列車に乗っていて、到着駅と到着時刻を書いた Fahrplan(時刻表)のパンフレットの訂正版を車掌さんが寝台車(私は、節約して簡易寝台でした)の客に配って回っていたという経験がありますが、テレビを普通に見ていさえすれば、2、3日前から、時間訂正のニュースが流れます。

 ちなみに、国によっては、州の力が強く、国内でも、サマータイムを実施している州と実施していない州があります。たとえば、アメリカやオーストラリアなどです。

 若いころ「オーストラリアの大きさを体験するたるため」「飛行機代金の節約のため」、ゴールドコーストからシドニーまで昼間行くバスに乗ったことがあります。

 オーストラリアを四国にたとえるなら、ブリスベンは小松島市の位置、シドニーは日和佐市の位置(どちらも徳島県です)143km だそうです。
 ブリスベン・シドニーは1000km です。

 ゴールドコーストを午前11時に出発し、シドニーには翌午前1時に到着と時刻表にありましたが、途中から、1時間ずれていて、腕時計は0時30分を指しているのに、ビルなどのデジタル時計は1時30分を指しています。到着したのは「定刻」でしたが、時計の針は午前2時でした。

 宿泊先のホテル(あらかじめ午前1時にバスで着くといっていました)で従業員に聞くと、ブリスベンのあるクイーンズランド州はサマータイム不採用、シドニーのあるニューサウスウェールズ州はサマータイム採用ということでした。ほとんど、南方向から北方向に走り、かつ、若干東から西に走りましたが、1時間の「時差」があったのです。西の方が東の方より、時間が進んでいたという「珍現象」でした。
現在は、WA(ウェスト・オーストラリア)州のみサマータイム不実施です。パースが州都ですが、自分の州を「ダブリュー・アイ」と方言丸出しで、外国人の私に書かせようとするんですから(「WI」と書いたら「ノー ダブリュー・アイ」。結局、書いてもらって、はじめてわかりました)、「強引にマイウェイ」を地でいっています。
 
 ちなみに、私の場合、待ち合わせていたわけではありませんからよかったものの、待ち合わせをしていたら大変なことでした。
 ただ、オーストラリアの広さを実感できた、今となっては「いい」経験でした。

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