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2011年バックナンバー

原価いろいろ

寿司屋さんには、一般の寿司屋と、回転寿司がありますね。

 一般の寿司屋は「時価」というものを除いて、1カン「いくら」と定価表があります。
 「時価」がこわいのなら、聞いてみれば教えてくれます。

 回転寿司屋があります。
 ものの本によると、回転寿司チェーンの人気寿司ネタのベストスリーは、1位大トロ、2位ウニ、3位ヒラメだそううです。
 では、回転すし屋にとって儲けの少ないすしネタは何でしょうか?
一番儲けが少ないのは、タイだそうです。
 本物のマダイを使うと、1皿130円程度では原価割れになり、200円の皿にするのが普通です。100円の皿で回っているとすると、客を呼ぶための目玉商品にするためです。
 2番目に儲けの少ないネタが、エビだそうです。
 逆に、反対に、寿司屋の儲かるネタは、玉子やサラダ巻、イカ、タコ、アジだそうです。
 こういうネタばかり食べてくれるお客さんだと、店の経営者に大歓迎ですね。
 接客するのはアルバイトですから「にんまり」とはしないでしょうが・・

 また、100円ショップがあります。
 そのあまりの安さについ寄ってしまうお店ですが、皆さんは「なぜこれが100円なんだ」と疑問に思ったことはありませんか。
 もちろん「100円ショップ」は営利企業で、慈善事業ではありません。
 当然、中国やベトナムなどから仕入れます。人件費や原材料費の船賃・保険をかけても十分ペイします。
 国産の場合、仕入れに「バッタ屋」と呼ばれる倒産品などを専門に扱っている問屋から、安値で商品を買います。
また、日本国内では、大手メーカーなどの下請けの工場が商品を開発しており、作る場合は、100万個、200万個レベルの発注をして、大量生産をして、一個あたりの単価を下げます。そこで作られたものは原価が10円~20円というものがほとんどだそうです。
 その他、原価3円とかのものも混ざっているそうです。
 原価が100円か、少し上回るものが売られていることもあるようです。

 原価の他に、1ヶ100円均一なら、レジ係も、アルバイトで売れますから、仕入れ値だけではなく、一般販売管理費も抑えられます。


 という話をしましたが、弁護士のする事件についても、最初から「利幅の多い仕事」「利幅の少ない仕事」「赤字覚悟の仕事」があります。なお、弁護士は、原材料費がなく、一般管理費のみですから、何時間費さなければならないかによって「黒字」「赤字」がきまります。
 私の事務所のように、旧大阪弁護士会報酬規定に準拠している場合、旧大阪弁護士会報酬規定が、事件の類型で「黒字」「赤字」と分かれるような、あまり合理的でない報酬体系になっていますから(回転寿司のネタの原価、100円均一ショップの原価のように「ばらばら」です)、受任の段階で、事件の類型ごとに「黒字」「赤字」がおおよそわかります。

 どういう事件が「黒字」で、どういう事件が「赤字」かは書きません。
 「黒字」の事件について、「値切られる」おそれがあるからです。
 逆に「赤字」の事件だからといって、追加して報酬をもらえるわけではありません。

 もっとも、事件が予想を超える長期になると赤字になるのは、どの種類の事件でも同じです。

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