本文へ移動

よもやま話 バックナンバー2/2

団塊の世代

最近「団塊の世代」という言葉がよく使われます。

 「団塊の世代」とは、日本が平和を取戻した第二次大戦後、数年間のベビーブーム(Baby boom)に生まれた世代のことで、一般には「昭和22年(1947年)から昭和26年(1951年)頃までに生まれた人」と定義されます。

 何せ、数が多いものですから、競争がはげしかった世代です。
 また、日本が貧しく「食べるものが十分にない」「飢餓」を体験した「最後」の世代です。それ以降、今のところ、日本人は「食べるものが足りない」という経験をしていません。

 私は、昭和30年(1955年)生まれで、小学校や中学校の運動場の片隅に、使われていない「プレハブ」の校舎が残っていたのを記憶しています。
 ということは、義務教育の小学校中学校は問題ないにしても、高等学校、大学の受験競争ははげしかったのでしょう。また、就職もそうですね。

 私自身は、高等学校、大学の受験は、団塊の世代ほど厳しくはありませんでした。
 昭和30年(1955年)には、相当、出生数が減っていましたから。

 ただ、司法試験は「もろに」団塊の世代との競争でした。
 私が司法試験に合格したのが22歳、その年の司法試験合格者平均年齢が28.9歳でしたから(高年齢者が平均を押し上げてはいましたが)、まさに、団塊世代との「激突」でした。

 私の司法修習同期の中には、「昭和22年(1947年)から昭和26年(1951年)頃までに生まれた人」と定義される団塊の世代が結構います。
 私の同期の親しい弁護士は、やはり60歳前後あたりという人が多いです。
 ただ、弁護士には定年はありません。

 私の大学の同級生は、官公庁に勤めたり、学者になったり、裁判官・弁護士になったり、民間会社ならそろそろ役員になったりしていますから、あと、6、7年たったから、一斉に「定年」「失職」ということはありません。やはり、それなりの地位についています。大学時代は「大したことがない」と、お互い思っていたのでしょうが・・
 しかし、私の弁護士の同期の人と話をしていると、高等学校、大学の同級生が定年で辞めていくという話をよく聞きます。
 やはり、ライフスタイルは大きく違ったものになるそうです。

 団塊の世代は、よく「食い逃げ」世代といわれます。日本の高度成長の礎(いしずえ)を築いたのは戦前の世代、確かに、高度成長を支えたのでしょうが、退職金は満額もらえ、年金も優遇されていると老後も恵まれています。
 子がいれば別ですが、子がおらず、贅沢な暮らしさえしていなければ、妻が、専業主婦であっても、大手会社の会社員なら、出世などしていなくても、退職金や自宅をあわせれば1億円程度の財産を持っているという人は珍しくありません。


 先程述べたとおり、私と同時に修習した人たちのうち弁護士になった人は、団塊の世代に属する人が多いです。
 裁判官には65歳、検察官には63歳という定年がありますが、弁護士には定年がありません。
 弁護士は、一般に、若いころには、早くお金を貯めて引退したいと思っているのですが、現実的には、経済的な面で裁判官並みの65歳での引退は難しいようです。
 現実に、還暦になったから、そろそろ引退をしようという弁護士さんは、回りをみても全くいません。
 また、さっさと引退した方が「老醜をさらす」こともないのにと思う人もいません。
 弁護士は、ある程度「経験」がものをいう職業のようです。
 もっとも、破産法程度ならまだしも、「会社法」「保険法」さらに「民法」がかわるとあっては、キャッチアップしていくのは大変です。

TOPへ戻る