よもやま話 バックナンバー2/2
セーフティーネット
もちろん、元来の意味は、安全網、すなわち、サーカスの空中ブランコや綱渡りのとき、万が一の落下に備えて張られている網のことです。
比喩的な意味として、金融機関や保険会社の破綻などが、金融システムや社会全体に波及するのを防ぐ安全装置のことをいいます。
金融機関の破綻が広がらないよう中央銀行が保証したり,預金に保険がかけられていること(顧客の資産や契約を守る仕組)や、鎖倒産を防止したり(取引業を守る仕組み)するシステムのことですね。
次の比喩的な意味は、経済的困窮者に対して、憲法25条に定められている「健康で文化的な最低限の生活」を続けられるように救済する社会保障制度を指すことが多い。日本においては生活保護がこれに該当します。
また、広く、健康保険、年金、失業保険を含む場合もあります。
ただ、命綱のあるサーカス・雑伎には迫力は今ひとつです。
これと同様、いざとなれば、セーフティーネットがあるとして、ちゃんと働いたり、経営したりしないのでは本末転倒です。
モラルリスク、モラルハザードも、あってはなりません。
確かに、一度失敗したら、再起不能では、失敗を恐れて起業する人が少なくなるかもしれません。
経営者自身の自己破産は、ある意味「セーフティーネット」かもしれません。
再チャレンジもいいでしょう。再チャレンジで成功した例はもてはやされるのですが、失敗もなしに業績を伸ばしていく経営者がの方が、いいに決まっています。
ここで、話を変えて、本来のセーフティーネットに戻します。
上海に行って、雑伎団の演技を見ると「すごい」と思うことがありますが、ピアノ線などのセーフティーネットは備わっています。
失敗して、床に落ちることもありますが、それだけ「ぎりぎり」の演技をしいてると感動させられることもあります。
もっとも、人が、1人、2人ずつ、人の体に上ったりする演技では、最初見ているときは、ゆっくり1人1人ずつ、ゆっくりと積みかさなり、そのたび拍手喝采を受けるのですが、一度失敗すると、もう一度トライしますが、最初の4、5人くらいまでは無造作に積みかさなり、わざと難しそうに演じていたのが「丸見え」になることがあります。
ところで、雑伎がS席200元=2800円、ブロードウェイのミュージカルはピンキリですが、それなりの安い席ですら100ドル=9300円は、やはり人件費の差が大きいんでしょうね。