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よもやま話 バックナンバー2/2

学歴ロンダリング

 「学歴ロンダリング」って知っておられますか

 それなりの大学出身者がその出身大学を隠すために、他の大学の大学院等に進学することをさしています。
 それなりの大学卒業の肩書では、企業などに入ってもコンプレックスを感じることがありますが、出身大学よりレベルが高い外部進学(自分が行っている大学の大学院に進学せず、他の大学院に進学すること)により、大学院の修士・博士課程を修了すれば最終学歴は大学院卒業となり、コンプレックスを軽減できるという計算ですね。
 もちろん、マネーローンダリングと違って違法ではありません。あくまで、履歴には「最終学歴」を書けばいいというのが社会通念です。

 政治家などがよくやります。外国の大学だから、卒業しようがしないでおこうが、どちらかわからないと高をくくっていると、経歴詐称で公職選挙法違反に問われたりします。

 通常の文系の学生は、理系と違い、さっさと大学を卒業して、企業などに就職して、若くしてスタートラインに立って生涯収入を極大にしようとする人が多く、あまり「学歴ロンダリング」はありません。

 弁護士の場合は、結構、司法試験受験勉強中という期間が長い方がおられ、司法試験受験中に「無職」では都合がわるいということで、大学院の修士課程に入学する人もおられます。
 この場合、それなりの大学法学部から、難関といわれる大学の大学院に進まれる方もおられ、結果的に「学歴ロンダリング」になっている方もおられますが、意図していたり、悪気があるわけではなく、結果的にそうなったということです。弁護士は実力主義の社会で、学歴は影響はないようです。
 ちなみに、たとえば同じ東京大学で勉強していたら、「東京大学法学部卒業」「同大学大学院修士課程修了」と双方併記します。逆に、片方だけ書かないということは別の大学出身であるということが推測できます。

 法科大学院が増えて、意図してであるかどうかは別として「学歴ロンダリング」が増えるということは間違いがないようです。
 「東京大学法科大学院概要」の「収容定員および在学者数」によれば、学部の半分くらいで狭き門のようですが、他の大学はわかりません。

 もっとも、私自身は、18歳の時点で、一生固定の学歴というのもおかしな話で、流動化していくのが好ましいと思っています。
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