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よもやま話 バックナンバー2/2

慣用句

慣用句があります。

 慣用句が誤った言い回しで使われているものがあります。

 たとえば「情けは人のためならず」という慣用句ですが、正しくは「情けをかければそれは巡り巡ってやがて自分に返ってきますよ。情けをかけてあげましょう」という意味なのですが、「情けを人にかけてやったのでは、人のためにならない。だから情けはかけないようにしましょう」と誤解している人が結構いるようです。

 また、たとえば「気がおけない」という慣用句ですが、正しくは「相手に遠慮しなくてよい」という意味なのですが、「相手に遠慮しなくてはならない」と誤解している人が結構いるようです。

 これらの誤りは、あまり有害ではありません。
 また、間違っている人があまりに多いため、特に必要がなければ自分も使わないのが正解かも知れません。使うときは「こういう意味ですよ」と説明するのも面倒です。


これらは、あまり害は大きくない慣用句の誤りなのですが、致命的な誤りもあります。

 「役不足」という慣用句ですが、正しくは「能力のある人につまらない仕事・簡単な仕事をさせる」という意味なのですが、「本人の力量に対し役目が重すぎる」と誤解している人があります。
 高い地位についた人が「私にとって役不足ではありますが」というと、本人は「謙遜」したつもりでも、とんでもない「傲慢」な人と思われるおそれがあります。

 もっとも、「傲慢な人」というより、単なる「常識を知らない人」「無知な人」と評価されるかもしれません。

 いずれにせよ、確実に評判を落とします。

 抜擢した上司は「目を覆う」でしょうね。

 ちなみに、「流れにさおさす」という慣用句は、正しくは「傾向に乗って勢いを増す」という意味なのですが、「傾向に逆らい勢いを失わせること」と、私も誤解していました。
 夏目漱石の「草枕」に、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくこの世は住みにくい」という言葉ありましたよね。

 言葉は、時代とともに変化します。
 ただ、誤解している人の多い「慣用句」は、使わない方が賢明かも知れません。

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