よもやま話 バックナンバー2/2
まとめ買いはお得?
私の購入している定期券は、甲陽園・梅田間で往復は540円です。
1ヶ月定期は10,280円で19回で元がとれます
3ヶ月定期29,300円で18回で元がとれます
6ヶ月定期55,520円で17回で元がとれます
ただ、1ヶ月の定期券は、1ヶ月ごとの継続が面倒で、6ヶ月の定期券は、紛失したときに痛いので、通常3ヶ月の定期券を購入する方が多いでしょう。
すると、1ヶ月に18回使えば元は取れます。
通常の週休2日のサラリーマンの場合はどうでしょう。
平成19年の実通勤日数を計算しています。
平成19年1月 19日(正月3日まで休み)+1日分
平成19年2月 19日 +1日分
平成19年3月 21日 +3日分
平成19年4月 20日 +2日分
平成19年5月 21日 +3日分
平成19年6月 21日 +3日分
平成19年7月 21日 +3日分
平成19年8月 20日(盆休み3日) +2日分
平成19年9月 18日 +0日分
平成19年10月 22日 +4日分
平成19年11月 21日 +3日分
平成19年12月 19日 +1日分
年間合計26日、1ヶ月平均2日分お得ということになります。
案外少ないでしょう。
有休を取っていないと「豪語」する方でも、3日に2日は休んでいます。
なお、年間にすると242勤務日で、11回分が10回分の値段で利用できる回数券を利用すると、11万8800円で、3ヶ月定期を4回購入したときの11万7200円と、ほとんど差はありません。
あと、年次有給休暇、病気休暇などを入れれば、逆に、定期券より回数券が得になります。
定期券より、回数券が、お得ということになります。
ちなみに、弁護士の場合、週休2日というわけにはいかないでしょうが、例えば、私の場合、東京出張などの場合は、1日1回も定期を使わない可能性がありますし、午前中大阪地方裁判所と堺支部以外の裁判所(神戸地裁本庁、尼崎支部、京都地裁など。伊丹支部は使えます)に行く場合は、往路分は使いません。午後も出先からの直帰の場合場所によっては使いませんし、夜、いっぱいやってタクシーを使えば、復路分は使いません。
2007年アルファブロガーに選出されました、私の尊敬する山口利昭先生のブログに、ある定量分析の本の紹介があります。 「ビジネス法務の部屋」 をご覧ください。
「ある人が会社に向かうのに、バス通勤をします。会社までバスで向かうのに、自宅付近の同じ場所に二つの民間バス会社のバス停がありまして、どっちで会社に行っても同じ時間に会社に到着するとします。そこで、一週間の両社のバスの運行状況を調査して、「時刻表記載の時刻からどれだけ実際のバス停到着時刻がずれているか」を集計します。調査してみると、どちらのバスも早く来たり、遅く来たりします。この「ズレ」を「平均値」で求めた場合には、ほぼ同じだったことから、つぎに平均的な「ズレ」からどれだけ「ばらつき」があるかを標準偏差によって判定します。もちろんバス停到着時刻に「ばらつき」が少ないバスのほうが安心して乗車できるということで、標準偏差が値が小さいほうのバスの通勤定期を購入する」
ある意味、本論とは離れて「つっこみどころ」満載な事例です。
山口先生は、バスが「早く来たら」意味がないから、この例は「おかしい」とおっしゃっています。 まあ、そうかもしれませんが、バスは早く着ることがあるので「少し早めにバス停に行く」のが通常かもしれません。また「同一路線を同一バスが走っているということは現実的ではない」とりコメントもありましたが、私の身近にあります。他にもあるでしょう。
私が思ったのは、こんな例で、得にもならない定期券を買う馬鹿はいない、回数券を買って、早く来たバスにさっさと乗り込むというものです。
なお、複数の会社のバスが、同じバス停の同一区間を運行しているというのは、あながち非現実的な例えではなく、現実に、JR西宮から、西宮警察署前、中村、西宮職業安定所前、市民運動場前、高座橋、広田神社前、大社町あたりまで、阪急バスと阪神バスが併走しています。停留所を示す「看板」も並んでいます(阪神は目立ちません)。雨よけ、座席は、少なくとも今は共通です。
おそらく、その区間の人たちは、回数券を買っていた(同一グループ化で、相互利用ができるようになっているかもしれません)と思います。
多くの人が「まとめ買いがお得」という先入観にとらわれていないでしょうか。
案外、まとめても「お得」にならない場合があります。
某英会話学校のように、利用券が「紙くず」になる場合もあります。