よもやま話 バックナンバー2/2
社会的インフラ
1982年にドイツに留学したときのことです。
驚いたことは、いくつもあるのですが、杖をついた足の不自由な年輩の方が多いのにびっくりしました。
最初考えたのは「ドイツ人は、歳をとると足の病気にかかるのでは」ということです。
しばらく暮らしてみると、間違っていることに気づきました。
「多少、足が不自由でも出かけられるだけの社会基盤がある」ということです。
いろいろな施設、電車、バス、市電など公共交通機関が使いやすくなっていて(いわゆるバリア・フリー)、不自由そうにしていると、周りの人がこころよく助けているから、日本なら出歩けないような人でも出歩いているのです。
重い スーツケースを引っ張りながら、電車や地下鉄に乗ろうとするとき、エスカレータやエレベータがない場合には、階段だけしか使えません。20キログラムをこえると、階段を上るのも根性がいります。
大阪市周辺でも、結構、階段だけという駅が残っています。かないませんね。
足が不自由な人は、同じ思いをしていると思います。
もっとも、エスカレータやエレベータ増築工事が、あちらこちらの駅でされています。
老人や足の不自由な人が利用しやすい駅が増えていくのだと思います。
と、話は急に変わるのですが、今年、上海に観光に行って来ました。
昔の日本より、出歩いている老人や足の不自由な人が少ないという印象がありました。
昔の日本より、老人・障害者には「優しく」ないようです。
老人・障害者がいないわけではなく、外出できないのだと思います。
ある意味、日本も成熟化してきたのではないでしょうか。