2013年バックナンバー
アメリカ国債
ことの発端は、平成25年10月16日、ABCテレビが放映した番組「ジミー・キンメル・ライブ(Jimmy Kimmel live!)」というトークショーです。
司会者のキンメル氏が米国の対中国債務問題の解決方法を尋ねた際、6歳の子供が「中国人を皆殺しにすればいい」と発言し、キンメル氏も「それは非常に面白い方法だ」と同調したためです。
中国系住民が、平成25年10月30日、ロサンゼルスのABCテレビ事務所前でデモを実施し、当然の話ながらキンメル氏は謝罪しましたが、中国系住民の怒りはおさまらず、全米デモへと発展したとのことです。
平成24年12月に公表された同年11月の国際資本統計(Treasury International Capital System)によりますと、平成24年11月末時点で最も多く米国債(米財務省証券)を保有している国・地域は中国であした。
1位 中国 1兆1701億ドル
2位 日本 1兆1328億ドル
3位 カリブ・バンキングセンター(Caribbean Banking Centers) 2837億ドル
なお、カリブ・バンキングセンターとは、バハマ、バミューダ諸島、ケイマン諸島、オランダ領アンティル、パナマなど中米カリブ海諸国が、オフショア(タックス・ヘイヴン)であるメリットを活かし、世界から資金を集め運用している金融機関のことです。
4位は石油輸出国(Oil Exporters) 2601億ドル
なお、石油輸出国エクアドル・ベネズエラ・インドネシア・バーレーン・イラン・イラク・クウェート・オマーン・カタール・サウジアラビア・アラブ首長国連邦・アルジェリアを含む石油輸出国のことです。
5位はブラジル 2570億ドル
6位は台湾 1931億ドル
7位 スイス1869億ドル
8位 ロシア 1641億ドル
9位 イギリス 1450億ドル
10位 ルクセンブルク 1448億ドル
中国と日本がダントツで、残りはドングリの背比べです。
3位のカリブ・バンキングセンターと10位のルクセンブルクは、実質的に、他国の金でしょう。
国営通信新華社は、米国の財政政策を批判し「米ドルを国際的に監視する必要がある」と主張、債務問題解決のため「軍事費削減」まで要求する評論記事を配信するという「無礼」を「はたらいている」国で、日本とは異なります。
また「成金」と思う人も多いでしょう。
アメリカ人の反発は強いですね。
なお、中国としては、そんなことを言うくらいなら、黙って米国債(米財務省証券)を売却すればいいようなものですが、ヨーロッパや日本も財政懸念を抱える中で、リスク分散の手段は限定的とならざるをえません。もとより、為替レート操作のため、外貨を買って元を売りますから、外貨準備はふえる一方です。