2013年バックナンバー
消費税率の増額
「非課税となる取引」をご覧下さい。
消費税がかからない取引があります。
(1) 土地の譲渡及び貸付け
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。
(2) 有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。
(3) 支払手段の譲渡
銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。
(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など
(5) 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。
(8) 外国為替業務に係る役務の提供
(9) 社会保険医療の給付等
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など
ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。
(10) 介護保険サービスの提供
介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど
ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。
(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供
社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供
(12) 助産
医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供
(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
義肢、盲人用安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車いす、改造自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負及びこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの
(15) 学校教育
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など
(16) 教科用図書の譲渡
(17) 住宅の貸付け
契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られます。
ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。
消費税増税前に、住宅を購入しようという動きがありますね。
土地については「(1) 土地の譲渡及び貸付け」により消費税は非課税です。
建物だけが消費税課税対象となります。
マンションはどうなるかということですが、土地部分は非課税で、建物部分については消費税課税対象ですから、増税となります。
あと、身近な消費税が非課税となるものに「医療費」があります。
おおざっぱにいえば、健康保険の適用があるものは非課税で、保険適用がないもの、保険適用の範囲を超えるものは課税されます。
消費税がかかる医療費は以下のようなものです。
患者の希望によって保険算定額を超える部分(差額ベッド代等)
自由診療(美容整形、人工妊娠中絶、健康診断・人間ドック、予防接種、生命保険会社からの審査料)
医療相談料(健康相談、健康指導、機能訓練、診断書作成料)
歯科自由診療(金属床義歯、歯科矯正等)
地方公共団体等から委託を受けて行われる老人保険法の健康診査及び母子保健法の妊婦・乳児の健康診査
柔道整復師・鍼灸師・マッサージ師の施術で療養費の支給外のもの
美容整形や差額ベッドなどはわかりますが、予防接種や健康診断は非課税になってもよさそうなものです。
また、歯科矯正は、もともと自由診療ですから課税されるのですが、本来なら自由診療としなくてもよさそうです。
欧米先進国に行くと、日本人の歯並びの悪さは「貧乏」の象徴のように見られます。八重歯がかわいいなどと間違っても思ってくれません。
なお、医療費の消費税が非課税なら、税率引き上げに関係ないと思われるかもしれません。
患者の支払う治療費は非課税ですが、その分医療機関が消費税を負担する仕組みになっています。
当然、ある程度、診療報酬が上がるのが普通ということになるのですが、これは、政府と日本医師会・日本歯科医師会の「かけひき」です。政府は、逆に下げようとしています。
弁護士費用も入っていませんね。
ですから、弁護士費用の着手金・成功報酬・手数料などは、平成26年4月1日、消費税率が、5%から8%に増額されます。
ちなみに、収入印紙、切手代、交通費、鑑定費用などの実費は、弁護士が「右から左に」「渡す」にすぎず、弁護士は、全く損得ありません。
ただ、収入印紙は、非課税((7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供)ですが、それ以外の、たとえば切手代、交通費、鑑定費用などは消費税が課されますから、消費税が増えれば、増額されます。
事が事だけに、「いつ訴訟するの?」「今でしょ!」というわけにもいきませんが・・
ちなみに、当事務所の「費用について」 も改訂しました。
いままでは、5%を前提として計算していましたが、8%、10%と増額されるため、消費税率が何%でもいいように書換えました。
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