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2013年バックナンバー

パイルD-3の壁

刑事コロンボのシリーズに、「パイルD-3の壁」という作品がありました。
 ピーター・フォークが監督をしています。

 どちらにしても、最初から犯人は分かっていますから「ネタばれ」ということはないと思います。
 もっとも、結末が最大の「ネタ」かも知れませんが、あらすじを書きます。

 大規模な都市改造計画をすすめる建築家が、援助を打切るという実業家を殺害しました。

 問題は、死体をどう処理するかです。

 犯人は、コロンボに、「大きなビルの下に死体を埋めこんでおけば100年経っても見つからんでしょう」と、暗に、打込まれたばかりのD3番のパイル(土木・建築の基礎工事に地中に打ち込む杭)に死体があるように示唆します。

 コロンボは「ひっかかった」ふりをして、打込まれたばかりのD3番のパイルを掘り返えそうとします。

 いずれの国も「お役所仕事」があるようで、コロンボは、役所で待たされ部署をたらい回しにされたうえで、やっと打込まれたばかりのD3番のパイルを掘り返します。
 死体は出ません。

 犯人は、その夜、掘り返したばかりのところに、隠してあった死体を自動車で運んで埋めようとするのですが、コロンボは、D3番のパイルで多数の警官を待伏せさせ、ご用というストーリーです。

 犯人は「1回掘ったところには、2度と捜査がされない」と思いこんでいて、コロンボは、わざと罠を仕掛けたということになります。


 映画談義だけではありません。

 離婚訴訟をやっていると、財産分与が争点となることがあります。
 夫と妻の「預金」の隠し合い、探し合いです。
 タヌキと狐の化かしあいより「たち」が悪いですね。

 片方が、わざと、自分名義の、某銀行の某支店の預金口座の通帳を証拠として提出します。
 某銀行の某支店には、別の大きな金額の預金があるのですが、相手は、某銀行の某支店には「もう預金口座はない」と思いこませる作戦です。

 ひっかかる弁護士さんもいます。
 私は人が悪いのか、某銀行の某支店に調査嘱託の申立をすることがあります。
 出てくることがあるんですよね。
 裁判官は、某銀行の某支店の通帳はでてますから、調査嘱託の必要はないでしょうということもありますが、例えば、未成年の子供名義の預金の調査を口実に調査嘱託を採用してもらいます。
 案の定、額の大きい本人の預金が出てきたということがありました。

 大きな額の現金引出しがあり、どこにも使われていないし、どこの口座にも入金されていないことがあります。
 近所の他の金融機関の口座に入っている可能性がありますから、「しらみつぶし」に調査嘱託を申立てることも一方法ですが、同一銀行の同一支店をねらうのも一方法です。
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