本文へ移動

2013年バックナンバー

日韓関係についての世論調査

平成25年11月18日、韓国で戦時中の韓国人徴用に対し、日本企業に賠償支払いを命ずる判決が相次いでいることをふまえた、日韓関係の問題についての産経・FNN世論調査が公表されました。

 韓国が、外交や経済活動の相手として信頼できないとする回答は69.3%で、信頼できるとする回答は16.8%でした。

 韓国司法の判断が「納得できない」は82.7%で、「納得できる」は5.6%でした。
 「賠償金を支払うべきではない」は79.2%でした。

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野談話」を裏付ける公的資料が見つかっていないとして、談話見直しを求める声があることについては、「見直すべきだと思う」が55%で、「思わない」の27.5%を大きく上回わりました。


 産経新聞の読者からの世論調査ではなく、全国から無作為抽出された満20歳以上の1000人を対象に、電話による対話形式で行われたそうです。

 もっとも、固定電話の番号に休日にかけた結果を集計していて、若年層は有効回答から除外されやすいという傾向がありますし(若年層は「わからない」と回答する人が多いでしょう)、態度がはっきりしない回答者に「あえていえば」などと重ね聞きするかしないかで結果の数字が大きく変わってくるという傾向はあるでしょう。

 朝日新聞や毎日新聞が世論調査を実施すれば、少し結果が違うかもしれません。
 もちろん、朝日新聞や毎日新聞が、このような世論調査はやらないでしょうし、世論調査をやったとしても公表するかどうかわかりません。

 ただ、少なくとも、法律家からみれば、日本や日本企業への賠償責任結論は、とっくの昔に出ています。

 「旧日本軍の従軍慰安婦問題等に関する最高裁判所判決」と 「日韓請求権協定」をご覧下さい。

 「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、(中略=例示部分)、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」

 韓国が、昭和40年の日韓国交正常化の際に結んだ日韓基本条約や請求権協定で、日本から受けとった無償供与の賠償額3億ドルは、韓国の当時の国家予算(3.5億ドル)とほぼ同額、有償供与の賠償額2億ドルをあわせると、韓国の当時の国家予算の1.5倍です。これには、戦争被害者に対する損害賠償が含まれています。

 結局、5億ドルを受取った韓国が、戦争被害者に韓国政府が責任を持って損害賠償すべきところ、韓国政府が損害賠償しなかったということについて、日本に文句を言われてもかなわないということですね。


 韓国の朴槿恵大統領が、対日批判をエスカレートさせ、安倍晋三首相との日韓首脳会談を拒否しています。
 韓国国内では「日韓冷戦」が経済にも悪影響を及ぼし始めており、韓国メディアにも朴氏に翻意を求める論調が目立つようになっています。

 もっとも、朴槿恵大統領にも事情があります。
 昭和40年の日韓国交正常化の際の大統領は朴正煕元大統領で、日本軍の将校・高木正雄、その娘が朴槿惠現大統領です。

 韓国で「親日」という言葉は、特殊な意味を持ち、先祖が「親日」というだけで、財産を没収されかねないという法律もあります。

 朴槿恵大統領としては、対日批判をする以外に選択肢はありません。


 日本としては、日韓首脳会談の対話のドアは開けていますが、日韓首脳会談をしないでも日本に不利益はありません。

 日韓首脳会談を開催しないことにより不利益を受けるのは、北朝鮮問題をかかえ、ドルに対する円高の是正と、ドルに対するウォンの上昇が、ただでさえ悪い経済状態に追い打ちをかけている韓国です。

 また、世論調査が上記の内容ということはわかっていますから、日本の現政権が、韓国に妥協することもできません。
 日本は民主主義国家ですから、世論にさからえば、選挙で痛い目にあいます。韓国に対して妥協するなというのが、世論でしょう。
 李明博元大統領(日本名・月山明博。大阪市平野区生まれ)が、平成24年8月14日、「天皇(日王)が韓国に来たければ謝罪せよ」と要求したことが、日本の世論をかえました。竹島不法上陸はしれていると思います。

 また、韓国で訴訟を提起されている企業にしても、賠償金を任意で支払ったり、任意に基金に拠出したのでは、確実に株主代表訴訟をくらいます。
 強制執行を待つという選択肢しかありませんが、強制執行されると、日本企業は韓国から手を引く方向に進みます。韓国内に資産がない企業は、貿易代金をキャッシュの前払いにするでしょう。


 「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」(織田信長)、「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」(豊臣秀吉)、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」(徳川家康)という3武将をたとえた有名なフレーズがあります。

 日本としては、「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」は論外として、「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」は不可能、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」しかなさそうです。

 なにか、中国や北朝鮮が喜んでいそうですね。

TOPへ戻る