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2013年バックナンバー

ギリシャのドイツに対する戦争賠償請求

平成25年4月、ギリシャが、第2次世界大戦の賠償をドイツに求める考えを明らかにしました。

 ギリシャ外務大臣は「厳しい占領期間中のギリシャ人の苦痛に関する正義・真実の回復」が必要だ」「ドイツ占領中は、他国に例を見ないほどギリシャ国民が苦しみ、飢え、略奪された厳しい時期」だったと表現しました。

 請求額は、1620億ユーロ、約22兆円です。


 確かに、第二次世界大戦当時、ドイツはギリシャと戦って勝利し、1941年から1944年にかけて、ドイツ、イタリア、アルバニアがギリシャを分割占領したという歴史があります。

 なぜ、ドイツはギリシャと戦い、占領をしたかという理由ですが、当時ドイツが戦っていたイギリスの勢力を一掃するためのようです。
 ギリシャに、石油石炭や鉄鉱石などの天然資源があるわけでもありません。
 ギリシャが占領後に、抵抗活動をやめなかったので、ドイツは、抵抗活動を弾圧しました。

 ドイツ財務省の担当者は、約70年前のギリシャ占領に関連した補償の問題は解決済みだとするこれまでの見解を繰返しました。
 もっとも、ドイツはギリシャに何の賠償・補償もしていません。

 ドイツは、西ドイツ、東ドイツ、統一後のドイツを通じて、ギリシャに賠償はしていません。
 ドイツは東西に分割されたため、東西両陣営とも、東ドイツと西ドイツに対する経済的圧迫を手控えざるを得ませんでした。
 統一後のドイツも、何もしないままですませました。統一時には、戦後約45年が経過していました。


 ポーランドなどは、ドイツの領土の一部を取得していますし、ドイツやドイツ国民が有していたドイツの在外資産を取得していますから、それ以上に、賠償金など取る必要はありません。

 これに対しギリシャは、ドイツやドイツ国民が有していたドイツの在外資産を取得できたわけでもなく、ただ、被害をこうむっただけですから、賠償請求をしても不思議ではありません。

 ギリシャの国がドイツの国に正式に賠償を求めたわけではなく、そのまま「沙汰やみ」になったままです。
ギリシャは平成22年に国家破綻の危機に陥った後、ドイツを主として、外国や国際機関から、既に2400億ユーロ(32兆円)に上る救済金融を受け、かろうじて国家財政を賄っています。「今のところ」32兆円です。
 もっともっと増えていくでしょう。
 ギリシャがドイツに、本気で賠償を請求すれば、息の根を止められます。


 どうしても、ドイツびいきになってしまいますが、ギリシャは「あさましい」としか言いようがありません。「貧すれば鈍する」の典型でしょうか。
 怠け者で浪費家のギリシャが、ちゃんと働き、こつこつと貯めて健全な生活を送っているドイツに「たかる」というのは理不尽な気がします。
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