2013年バックナンバー
修習生はつらいよ
「SPA」という雑誌の最新刊(平成25年9月21日号)に、司法関係の記事がありました。
私自身は「SPA」という雑誌を買ったことはないのですが著作権に触れない程度で引用します。
まず、平成13年、小泉内閣が司法制度改革推進法を成立させました。
法科大学院の新設、司法試験合格者3000人が目標とされました。
私の受験した年(昭和52年)当時は、司法試験の合格者は500人程度でした。
内450名程度が司法修習生となり、32期司法修習生は、64人が裁判官に、50人強が検察官になり、その他330人程度が弁護士になりました。一部、法曹の道に進まなかった人もいます。
私の当時、修習生は給与をもらっていました。修習期間は2年間でした。
大学時代は、親から学費を含めて(当時の国立大学の授業料は月額3000円、4年間で14万4000円で卒業証書をもらったことになります)仕送りしてもらっていました。
アルバイトは、いままで一度もしたことはありません。
借金はもちろんありません。
かといって、預金があるかということですが、何に使ったのか、修習終了時には、ほとんど預貯金はなかった記憶があります。
第65期からは給付ではなく修習費用・生活費を全額貸与という形になっています。
収入はなく、貸与で全額返還しなければならず、これを修習修了後5年の猶予をへて、10年かけて返済していく計算です。
貸与金額は月に23万円程度、修習期間は1年間なので総額にして約300万円となります。
国民年金も自己負担です。国民健康保険料や介護保険料は、収入が「0」ですからしれています。
300万円なら余裕で返せるでしょうか。
法科大学院の学費を奨学金でまかなった場合は約300万円で、合計600万円です。
学部時代から奨学金を借りていた人などは、弁護士になった時点で1000万円近い借金スタートとなります。
そこからが問題で、法律事務所に採用されればまだラッキーで、成績上位200人くらいは、すんなり検事や裁判官になったり大手事務所に就職できますが、他方、300人くらいは、修習終了時点で事務所が決まってなかったり弁護士会に払う登録料が用意できず、弁護士登録ができないということです。
弁護士は破産者はなれません。
個人民事再生で、借金を5分の1に圧縮するというビジネスでも始めましょうか。
1000万円を200万円に圧縮し、5年間、年間40万円、月額3万円強を、大学の奨学金、法科大学院の奨学金、修習の貸与金の保証会社であるオリエントコーポレーションに支払うというスキームです。
もっとも、個人民事再生は、一定の安定した収入がないと、「返済の見込みなし」ということで再生計画は認可されません。
即独や宅弁では、職業を弁護士とする限り個人民事再生はとおることは難しいでしょう。
コンビニのアルバイトの収入の方が確実です。