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2014年バックナンバー

バンドワゴン効果とアンダードッグ効果

平成26年12月14日付に衆議院総選挙が実施されます。

衆院選情勢に関する平成26年12月4日付朝刊各紙の見出しは以下のとおりでした。

 朝日新聞  「自民 300議席超す勢い」
 毎日新聞  「自民 300議席超す勢い」
 読売新聞  「自公 300超す勢い」
 日本経済新聞「自民、300議席うかがう」

 ちなみに、朝日新聞は独自調査を実施し、資金不足の毎日新聞は共同通信の調査を流用し、読売新聞と日経新聞は協力して調査し、集計・分析・記事作成は両社が独自に行ないました。

 読売新聞と日経新聞は、協力して調査していますから、結果が同じになってもよさそうなのですが、そうはなっていません。
 なぜでしょうか?


 選挙において、事前世論調査の結果は、本選挙に影響を与えます。

 「バンドワゴン(Bandwagon)効果」と「アンダードッグ(underdog)効果」と呼ばれる、全く反対の効果が働くとされています。

 バンドワゴンは、車列の先頭を走行するバンドを乗せた自動車、アンダードッグは「負け犬」とも訳されますが、むしろ「かませ犬」(闘犬において調教する犬に噛ませて自信を付けさせるためにあてがわれる弱い犬)と訳するのが相当でしょう。


 バンドワゴン効果とは、事前にマスメディアの選挙予測報道などで優勢とされた候補者に有権者が投票しがちになる現象を指します。
 「勝ち馬に乗る」ということですね。

 投票の秘密がない場合、あるいは、あっても不十分な場合によくみられます。
 投票者が、誰に投票したかが分かるケースでは、論功行賞への期待や、報復への恐れがあるからです。

 また、特定の候補者を支持していない者は、どうせ投票するなら勝ち馬に乗ろうという心理が働くことがあります。


 アンダードッグ効果は、その逆です。
 事前にマスメディアの選挙予測報道などで劣勢とされた候補者に有権者が投票しがちになる現象を指します。

 日本では「判官びいき」の人が結構多いです。
 選挙で劣勢だと伝えられると、同情票が集まります。

選挙対策本部の引締まり、あるいは、相手候補の油断により実際の選挙では有利になることがあります。


 朝日新聞と毎日新聞と日本経済新聞と読売新聞の見出しを見れば、それぞれの新聞社が、現与党の勝利を望んでいるかいないかがうかがえます。
 すべての新聞が、アンダードッグ効果が働くとみているのでしょう。
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