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2014年バックナンバー

スコットランドの独立の住民投票

イギリス(連合王国。United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)のスコットランドの独立の可否を問う住民投票が行われようとしています。

 イギリスは、イングランド(ロンドンが首府)、スコットランド(エディンバラが首府)、ウェールズ(カーディフが首府)、北アイルランド(ベルファストが首府)から構成されています。


 なぜスコットランドで独立論が浮上しているのでしょう。
 もともと、サッカーのチームが、イングランドサッカー協会、スコットランドサッカー協会、北アイルランドサッカー協会、ウェールズサッカー協会に分かれているほど、同じ国とは思っていません。


 スコットランド人は、もともと「別の国」のはずが、イングランドに併合されたと思っています。
 スコットランドの人がおもしろく思っていないのは当然でしょう。積年の恨みですね。

 また、1960年代に発見された北海油田の、管理をイギリス(イングランド中心)が支配しているのがおもしろくありません。
 4隻の核ミサイルを搭載した潜水艦ヴァンガード級原子力潜水艦は、スコットランドに配備されています。
 先に、攻撃を受けるのは、イングランドではなく、スコットランドとなります。


 スコットランドは、もちろん英ポンドを利用していますが、独自通貨を発行しています。
 スコットランドの紙幣は、イングランドの商店で、使用を拒否されることさえあります。
 方法は簡単、レストランで支払いをするとき、イングランドの紙幣を財布から隠して、クレジットカードがないといえば「しぶしぶ」受領して、おつりをくれます。

 スコットランドは、英ポンドを利用し、別途EUに加盟するという構想です。

 イギリス政府は、英ポンドは使わせない、EU加盟には反対する、経済力の弱いスコットランドが独立すれば、経済が成り立たないと主張しています。
 一方で、独立を思いとどまれば、いままで以上の自治権を与えるという「アメ」と「ムチ」の使い分けですね。

 スコットランドの独立は英国の世界的な影響力を低下させ、英国の金融および政治的な安定を脅かす(おびやかす)ことになります。
 イギリスにしてみると、スコットランドに独立されるのは大きな痛手です。連合王国を構成する北アイルランドやウェールズにも独立運動が飛び火しかねない懸念があるからだ。そうなれば、旧ユーゴスラビアと同様に、国家が解体されてしまいます。


 何か、スコットランドが、夫に嫌気をさした妻、イングランドが妻を引き留めようとする夫に見えます。
 妻は、別居・離婚したいのですが、夫は、結婚生活を続けようとしています。
 夫は、別居・離婚したら生活が立ちいかなくなるぞとおどし、妻が、別居・離婚をためらう、そんな感じですね。

 この時点では、弁護士の出番はありません。


 ちなみに、ユニオンジャックが変わりますね。

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