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2014年バックナンバー

関空開港20年

平成26年9月4日、関西国際空港は、開港20年を迎えました。

 水深が約20メートルの場所に海上空港を建設しています。
 騒音対策です。

 1本目の滑走路を整備した第1期工事だけで事業費は1兆5000億円、第2滑走路を建設する2期工事も総事業費は、ほぼ同額です。
 2期工事は旅客ターミナルや貨物の積み卸しを行うエプロンの建設を断念して投資額を削りましたが、9000億円に迫まります。


 1期工事は、反対しようにも反対できません。

 伊丹空港が「欠陥空港」といわれているのですから、騒音被害のない海上に、24時間空港をつくることに合理性があります。
 また、成田羽田の両空港が利用不可能なときのバックアップの意味もあり、大阪に、どんな航空機でも離着陸の可能な滑走路の長い空港をつくる意味があります。


 ただ、2期工事は、さすがに「無駄」といわれましたね。
 現実に、滑走路1本分の需要しかないというのが現実です。

 1本目の滑走路はA滑走路(3500m)、2本目の滑走路はB滑走路(4000m)と呼ばれています。

 従来からの航空会社(LCCではない航空会社)は、原則として、関空の本来のターミナルビル(現・第1ターミナル)に近いA滑走路を使いたがります。
 時間も、燃料も、ばかになりません。

 A滑走路は離陸用、B滑走路は着陸用という使い分けがなされることもあります。

 また、A滑走路が、メインテナンス工事の時は、B滑走路が使用されます。

 B滑走路は、4000mありますから(成田空港のA滑走路と同じく日本最長)、どんな機種でも最大離陸重量で離陸出来ます。

 貨物便など、とんでもない重量の機種は、マージン(のりしろ。ゆとり。遊び)という点からいっても、B滑走路を利用する方が安全です。

 そうでなくても、ルフトハンザ便は、結構、わざわざB滑走路を使うことが多いようです。

 ちなみに、B滑走路がありますからこそ、フェデックスは、関空をハブ空港とし、関空が空の物流の拠点となりました。
 そうでなければ、韓国の仁川空港にとられていたかもしれません。


 なお、B滑走路がありますから、ピーチ航空をはじめとするLCCが、関空に乗り入れます。
 第2ターミナルは、現在、ピーチ航空の専用ターミナルのようになっています。

 外国人の旅行客が誘致できるわけですから、悪くありません。


 新関空会社は今後、運営権売却の具体的な手続きを進める方針です。
 平成26年10月には、入札参加条件などを公表し、平成27年6月ごろに落札者が決まりまする。平成27年1月には実際に民間に運営が移行する予定となっています。
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