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2014年バックナンバー

強襲揚陸艦

マレーシア航空機撃墜事件を受け、欧州連合(EU)がロシアへの制裁強化の動きを強める中、フランスがロシアへの「ミストラル」級強襲揚陸艦2隻の売却方針を堅持していることについて、米国や欧州各国から批判が出ています。

 「ミストラル」級強襲揚陸艦は全長約200メートル、排水量約2万2000トンの大型艦。ヘリコプター16機、装甲車60台などを積載し、地上部隊を素早く展開する能力があります。
 艦名は「ウラジオストク」と「セヴァストポリ」です。
 ウラジオストクは、極東ロシア軍の基地、セヴァストポリは、クリミア半島のロシア軍の基地の名前です。

 ウラジオストクは、文字通り、ウラジオストクを母港としますが、ウクライナ情勢次第では黒海配置ということもありえます。


  欧米の対露制裁の足並みの乱れにつながりかねない一方、契約を見直した場合、フランスの経済損失も大きく、オランド仏政権は厳しい外交運営を迫られています。

 アメリカは、ロシアへの経済制裁に熱心ですが、ヨーロッパは、ロシアと経済的つながりが強いため、足並みがそろいません。

 また、日本は、北方領土の問題があったり、もうなくなったかもしれませんが、平成26年11月にプーチン大統領が訪日の予定でした。


 強襲揚陸艦に話を戻して、小野寺防衛大臣は、日本を訪れているフランスのルドリアン国防相と会談し、フランスが強襲揚陸艦2隻をロシアに売却する契約に対して、強い懸念を伝え、「最近ロシアは極東地域で軍事力を増強し、活動を活発化させている」と指摘するとともに、強襲揚陸艦をロシアに売却する契約について「日本の安全保障上も影響があり強い懸念を持っている」と述べ、売却しないよう求めました。

 ルドリアン国防相は、現状では売却の方針に変更はないものの、売却の契約がEU=ヨーロッパ連合全体としてロシアへの制裁の対象となれば、決定に従う考えを示しました。

 フランスはロシアに大型の強襲揚陸艦2隻を売却する契約を結んでいますが、ウクライナ情勢が緊迫したあと、アメリカ、イギリス、ドイツなどから、ロシアに対して武器を売却することへの批判や懸念の声が出ています。

 日本は、別の意味で、フランスのロシアへの大型の強襲揚陸艦2隻の売却には反対です。
 ロシアは、現在でも、仮想敵国の1国です。
 

 強襲揚陸艦(Amphibious assault ship)とは、揚陸艦のうち、輸送ヘリコプターやホーバークラフト型揚陸艇を始めとした各種上陸用舟艇を搭載・運用する能力を持つ艦を指します。
 単なる揚陸艦との違いは、大規模なヘリコプター運用能力と全通飛行甲板が挙げられ、また大半は垂直離着陸機を搭載・運用することによる揚陸支援攻撃能力をも持ちます。


 日本も、強襲揚陸艦がほしいところです。

 小野寺防衛相は、平成26年7月7日(日本時間8日)、上陸用装備を搭載できる「強襲揚陸艦」を念頭に、離島奪還作戦で活用する新型艦艇の海上自衛隊への導入を本格検討する意向を表明した。米サンディエゴの海軍施設で強襲揚陸艦を視察後、同行記者団に語りました。
 小野寺氏防衛相が視察した米海軍の強襲揚陸艦「マキン・アイランド」は広い甲板を持ち、多数のヘリコプターや水陸両用車両などを搭載できます。
 小野寺防衛相は「このような多機能、多目的の輸送艦は大変重要だ。今回の視察を参考に、日米協力を通じて最新鋭のものを考えたい」と語った。

 当然、沖縄県の尖閣諸島を念頭においた発言です。

 また、防衛省は、平成26年8月3日、自衛隊部隊や各種装備を輸送し上陸させる機能を持つ強襲揚陸艦を海上自衛隊に導入するための調査費を、平成27年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めました。
 来年度から必要な機能や規模の検討を始め、早ければ平成31年度からの配備を目指します。


 いっそのこと、「ミストラル」級強襲揚陸艦のうち1隻でも日本が買うという案はどうでしょう。

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