2014年バックナンバー
日本は助けない
日米安保条約に基づいて、米国は日本防衛の義務を負っています。
そのアメリカ軍のために、沖縄をはじめ、日本国内の基地を提供し、その使用を認めています。
ただし、これはあくまでも日本の防衛が目的です。
アメリカ軍が日本国外で軍事行動するために、日本国内の基地から航空機などが発進する場合には日米両政府の事前協議が必要となります。
もともとは、在韓国連軍に対する攻撃による緊急事態における例外的措置として、停戦協定の違反による攻撃に対して国連軍の反撃が可能となるように、国連統一司令部の下にある在日アメリカ軍によって直ちに行う必要がある戦闘作戦行動のために、日本の施設・区域を使用されうる(may be used)という密約が存在していたようです。
ただ、現在は、米日安保条約に伴う両国の交換公文には、戦闘行動のための在日米軍基地使用について、両国が事前協議するよう定められています。
もっとも、その後も、日米両政府間で事前協議が行われたことは一度もなく、ベトナム戦争や湾岸戦争において、アメリカ軍が日本の基地から出撃した際も、日本政府は、「アメリカ軍は移動している最中に命令を受けたのであって、ベトナムやイラクに直接、向うために日本国内の基地を発進したわけではない」という論理で、事前協議がなかったことについて正当化してきました。
ただ、日本が、アメリカ軍の朝鮮半島に出動することは、「協議事項」であり「同意事項」ではありません。
日本がアメリカ軍の出動に反対することは、現実にはあり得ないでしょうし、アメリカ軍は、日本が反対しても、出動の必要があれば出動するでしょう。
韓国は、日本の集団的自衛権行使に批判的な論調のようです。
日本の集団的自衛権行使の新方針は、韓国や台湾への「有事」に来援する米軍への効果的支援を可能にし、韓国や台湾の安全にも寄与するとみられますから、最も利益を受けそうなのは、韓国と台湾でしょう。
韓国は、日本と戦争になって、日本が韓国に攻めてくるとでも考えているのでしょうか。