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2014年バックナンバー

対馬の博物館

長崎県と対馬市は、対馬に博物館を新設し、申出のあった市内の寺社や個人から文化財を預かる計画を決めました。

 平成24年に、対馬の寺社から仏像2体が盗まれ、韓国に持込まれる事件が起きたため、管理を厳重にするためです。

 朝鮮半島や大陸との交易窓口だった対馬には仏像など、貴重な文化財が多く、国の重要文化財に10件、県の有形文化財に26件が指定されているそうです。

 交易により取得したもののほか、李氏朝鮮時代(918年~1392年)に入ると、儒教が国教となったため、仏教は徹底的に弾圧され、廃棄されることを免れるため、一番近い対馬の寺に寄贈されたものも含まれています。

 対馬には、貴重な文化財が多いわりには、過疎化で寺社や周囲の住宅が無人になっている例が目立ち、防犯面は手薄です。


 「日本からの盗難仏像と韓国の裁判所」

 韓国・大田地方裁判所は、平成25年2月26日、平成24年10月に長崎県対馬の観音寺から盗まれ、韓国で見つかった仏像2体のうちの1体について、返還を差止める内容の仮処分決定を出したという報道がありました。

 問題の仏像は、対馬市豊玉町所在の観音寺が所蔵していた、長崎県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像」です。

 韓国の窃盗団に盗取され行方不明になっていたのですが、窃盗団の摘発により、所在がわかりました。

 韓国の浮石寺が、当該仏像は、14世紀に和冦の時代に略奪されたものだと主張して、保管している韓国政府に移転禁止を求める仮処分を申請していました。
 韓国・大田地方裁判所は、「観音寺は(菩薩坐像を)正当に取得したことを訴訟で確定させなければならない」などと判示したそうです。
 観世音菩薩坐像は現在、韓国・大田市内の国立文化財研究所に保管されたままで、永遠に返還しないということになってしまいます。


 ということで、対馬に博物館を新設し、申出のあった市内の寺社や個人から文化財を預かり、韓国窃盗犯の盗難被害から、仏像を守ろうということです。
 また、対馬各地で祭られてきた仏像などを集めて公開することで、観光や日韓交流の拠点にする狙いもあります。

 「韓国からの集団窃盗犯」

 日本人は、結構信心深く、「仏罰があたる」として、仏像など盗まないものですが、韓国人は別のようです。


 もっとも、一部報道によると、セオゥル号の沈没以来、風向きが変わり、日本に仏像を返還したらという意見が韓国内で出ているそうです。
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