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2014年バックナンバー

G7

先進7か国首脳会議(G7)は、平成26年6月5日、ベルギーのブリュッセルで全ての日程を終え、首脳宣言を採択して閉幕しました。

 先進国主要会議は、昭和40年に、フランス大統領ジスカール・デスタンが、工業化された4つの主要民主主義国(アメリカ・イギリス・西ドイツ・日本)の首脳をフランス・ランブイエに招待し、フランスを含めて5カ国ではじめての首脳会議を開催し、定期的に首脳会議を持つことを提案したことからはじまります。
 本来は、5カ国のはずでしたが、これを不服としたイタリアの首相が第1回会議に乗り込んで来たため、イタリアを加え6カ国となり、ヨーロッパに偏っていることから、アメリカのジェラルド・フォード大統領の要請によりカナダが参加したことにより、7カ国(「G7」)となりました。

 40年が経過しましたが、ヨーロッパと北米に偏っていますね。

 アジアは日本1国のみ、アフリカ、南米、オセアニアは1カ国もありません。

 アジアには、日本のほかに、先進国といえるのはシンガポールくらいでしょうが経済的に小さすぎ、他に先進国はありませんし、先進国になりそうな国もありません。アフリカと南米に先進国はなく、オセアニアのオーストラリアとニュージーランドは先進国でしょうが、経済的に小さすぎます。

 なお、平成10年開催のデンバーサミット以来、ロシアが加入し、G8となりましたが(「先進7カ国首脳会議」から「主要8カ国首脳会議」になりました)、平成26年のロシアによるクリミア併合により、ロシアの参加資格停止が決定されG8からG7になり、参加国以外のブリュッセルで開催されました。

 ブリュッセルにおける先進7カ国会議では、欧米の関心が強いウクライナ・ロシア情勢に関し、ロシアによるクリミア編入を「ウクライナの主権と領土の侵害を一致して非難する」との声明を出し、ロシアに対して武装勢力の解散や、国境付近のロシア軍の撤退を求め、G7は一致してウクライナへの積極的な支援を行うとし、「必要であればロシアへの追加制裁の協議を行う」とロシアに対して譲歩を迫まりました。
 また、日本とアメリカの関心の強いアジアについては、「東シナ海や南シナ海での緊張を深く懸念」し、現状を変更する「一方的な試みに反対」すると明記し、名指しを避けつつも、挑発行為を繰り返す中国をG7として初めてけん制したうえ、法の支配に基づく平和的な解決を訴えました。


 ロシアや中国が、前世紀の帝国主義に戻ったかのような行動をしているからです。

 もっとも、日本は、ウクライナといわれてもピンときませんね。
 ヨーロッパでは、東シナ海や南シナ海といわれてもピンときません。
 ドイツやイギリスの、テレビ(BBCはケーブルテレビでZDFは衛星放送)や、新聞(インターネット版)などのマスコミを見る限り、ウクライナのみの報道で、アジアは完全といっていいほど無視されています。


 ロシアに対する感情は複雑です。

 日本としては、北方領土の問題がありますから、できれば、遠いウクライナの問題でロシアと喧嘩したくありません。
 ドイツとイタリアは、天然ガスをロシアに依存しています。
 フランスは、ロシアに強襲揚陸艦を売却して、引渡し待ちの状態です。引渡さなければ代金が入りません。
 アメリカ、イギリス、カナダの言い分が通ったということになります。


 中国については明快です。

 ドイツ、イタリア、イギリス、カナダは、あまり関心がありません。
 日本は、特に東シナ海は当事者です。
 アメリカは、中国が、南シナ海の支配を強化すると、南シナ海から発射されるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)でアメリカ本土を核弾頭で狙われます。

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