2014年バックナンバー
リニア新幹線
貸付けのための特別措置法の制定を政府に提案し、財務省、国土交通省と本格的な協議に入る方針です。
自民党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」で決議されました。
JR東海は、名古屋―大阪間の開通は、2045年(東京―名古屋間開業の18年後)予定としています。
名古屋―大阪間の建設費は3兆6000億円と見積もられています。
JR東海は、これまで、過大な有利子負債は旧国鉄破綻の一因であり、同じ失敗は繰返さないとしていました。
それはそれで正論かも知れません。
ただ、JR東海が、名古屋に本社のある会社ということから、他の意図も透けて見えます。
まず、東京―名古屋間にリニア新幹線を開通させます。
東京―名古屋間開業の18年後に、名古屋―大阪間を開通させます。
その18年間の間に、名古屋を発展させようという「狙い」です。
「名古屋飛ばし」という言葉があります。
日本国内の他の大都市圏で行われているイベントの開催、有名チェーン店の進出が名古屋市とその周辺地域で行われないことです。
「リニア新幹線」をご覧ください。
平成4年3月14日、JR東海が、東海道新幹線で運転を開始した「のぞみ」の1日2往復のうち、下りの一番列車(のぞみ301号)が、新横浜駅に停車して名古屋駅を通過するダイヤが組まれました。京都駅も通過するダイヤでした。
「三大都市の中枢である名古屋を新横浜ごときの田舎より冷遇するとは何事だ」という感情論もありました。
ただ、横浜は大阪を抜いて、東京特別区に続く2位の人口を有しています。
東京ではなく、東京のベッドタウンの性質も持つ横浜近辺に自宅がある人が、朝一番の「のぞみ」で大阪出張の便宜を考えた合理的なものでした。
大阪・神戸・京都を中心とする関西圏としては、リニア新幹線が、2027年に東京―名古屋間の開業、2045年に名古屋―大阪間の開業開業ということになれば、リニアが新幹線が、名古屋で止まっている18年間に、関西圏が相対的に地盤沈下しかねないとの懸念があります。
名古屋を中心とする中京圏としては、リニアが新幹線が、名古屋で止まっている18年間に、できるだけ追いつきたいという思惑があります。
同時開通なら、名古屋が「通過地点」にさえなりかねません。
これまで、JR東海は、有利子負債が大きくなると負担が大きいから、大阪-名古屋は同時開業できないと行ってきました。
そこで、名古屋―大阪間の工事費3兆6000億円を国が負担し、利子はいらないという案の提出になったのです。
「それなら文句ないよね」ということです。
しかし、JR東海の柘植社長は「5兆円を超える債務は持たないのが基本方針。それを超えるのは難しい」と、たとえ無利子でも計画以上の借金は抱えない考えを示しました。
ああ言えばこう言う、こう言えばああいうの典型です。