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2014年バックナンバー

病院のサロン化

病院が、高齢者の「井戸端会議」の場になっているという批判があります。

 「井戸端会議」は、昔は、上水道が整備されていなかったため、主婦が、共同井戸の周りで水汲みや洗濯などをしながら、うわさ話や世間話に花を咲かせることを揶揄(やゆ)して言った言葉です。

 人は、高齢になれば、あちらこちらに「ガタ」がきます。
 検査をすれば、すべて正常値という人の方が珍しいでしょう。

 「病気」扱いですから、「治療」の対象となります。

 昔は、一定以上の高齢者は、診察料が無料という時代がありました。

 時間をもてあましていますから、高齢者が、診療所に集まり、うわさ話や世間話に花を咲かせるということになります。

 あながち悪いことではありません。

 高齢者が家に閉じこもっていると、精神衛生上よくないでしょう。
 高齢者仲間で、わいわい、がやがや、話をするのは、よい刺激にもなりますし、通院のために外に出るということは悪いことではありません。

 昔は、それでも、問題は少なかったものです。
 高齢者の数が多くありませんから、医療費の問題は知れています。

 もちろん、不要不急の病気のために通院する老人が多いため、急に治療を必要とする人が、長時間待たなければなりませんでした。

 診療所は「First-come, first-served (FCFS)」が原則です。
 先着順ということです。

 高齢者は朝目覚めるのが早く、一線で働いている若年者より圧倒的に有利です。
 診療所の開院時間を待つ人のため、ベンチが置いてある診療所もあります。
 これでは、一線で働く若年者が、勝てるはずはありません。


 高齢者は、原則として「65歳以上」と定義されます。私も7年すれば「立派」な高齢者です。
 なお、医療制度上は、高齢者の定義は「70歳以上」としているようです。

 69歳までの人は、3割負担となります。
 70歳から74歳の人は、2割負担(一定以上の所得がある場合は3割負担)となります。
 75歳以上の人は、1割負担(一定以上所得がある場合は3割負担)となります。

 70歳から74歳の人は、本来2割のはずでしたが、ずっと1割、平成26年4月に、70歳になる人から2割になります。
 平成26年4月時点で、1割の既得権益を持っている人はずっとそのまま。


 とある診療所の待合室でのこと
 「○○さん、最近、見ないね」
 「そういえば見ないね。○○さん病気にでもなったんじゃないの」
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