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2014年バックナンバー

マイナンバーと銀行預金

政府は、銀行など金融機関の預貯金口座に、マイナンバー(預金者の税と社会保障の共通番号)の登録を義務付ける方向で、銀行など金融機関との調整を始めました。

 まず、平成30年度から新たに開く口座を対象にし、その後、既存の口座にも拡大するという方針です。
 平成28年度の通常国会に関連法の改正案を提出したい考えです。

 脱税やマネーロンダリングを防ぐということですね。


 まず、マネーロンダリングについては、国際的な圧力もあるようです。

 マネーロンダリング対策を検討する政府間機関「金融活動作業部会(FATF)」は、日本の顧客管理対策が国際基準を満たしていないと指摘しているようです。

 口座開設時の本人確認が義務化されたのは平成15年からで、それ以前の口座では本人確認が不十分なためということです。

 もっとも、私の実感では、義務化がされるまでもなく、平成に入ったころから、本人確認は厳格になされていたように思います。


 次に、預金口座へのマイナンバー登録は、「脱税」防止という点から有益です。

 サラリーマンは、自営業者、農業・林業従事者が不当に税金を逃れていると考えています。

 「クロヨン」と呼ばれ、捕捉されている収入が、給与所得者は約9割、自営業者は約6割、農林水産業従事者は約4割といわれています。
 また、「トーゴーサンピン」といって、捕捉されている収入が、給与所得者は約10割、自営業者は約5割、農林水産業従事者は約3割、政治家が1割という言葉もあります。

 もう過去の人かも知れませんが、小沢一郎代議士の4億円は話題を呼びました。
 強制起訴制度は、案外悪くない制度かも知れません。

 法律をつくる政治家自身が、1割ということですから、反発する議員も多いとみられます。
 選挙制度改革が進まないのと同じ理屈です。


 日本の銀行など預貯金口座は約8億あるそうです。印紙税の納付金額で簡単に口座数はわかりそうです。郵便貯金なども含めると10億口座を超えるそうです。
 皆さんいくつ口座をお持ちですか。
 休眠口座を入れれば、そのくらいあっても不思議ではありません。


 さらに、生活保護受給者の不正受給の発見にも役立ちます。

 市町村は、個人がどの銀行等に預貯金口座を持っているのか情報がないため、まとまった隠し預金をされていてもわからないというのが実情です。


 全国銀行協会は協力的で、平成26年2月28日に開いた政府税制調査会(首相の諮問機関)の会合で、新たに開く口座に限ってマイナンバーの登録を義務付けた場合、300億円かかるとの試算を提示しています。
 
 ただ、約8億ある既存の銀行口座にマイナンバーを対応させる場合、休眠口座の扱いや連絡が取れない保有者への対応など課題も多いということになります。
 
 6000万以上の個人預金口座がある三井住友銀行の場合、各店舗に専用窓口を設置した場合ですら、6年以上の時間が必要だそうです。

 過去の分はとりあえずおいておいて、平成30年度当初は、新規の新規口座だけにマイナンバーの登録を義務付けるにとどめ、一定の期間を経た後に、既存の口座にも対象を広げる方針ということになります。


 ちなみに、休眠口座が多いというのは、日本の特殊事情です。
 通常の先進国の金融機関は、一定の残高以下の場合には保管手数料をとります。

 一時国有化されていた、りそな銀行は、一定の残高以下の場合には保管手数料をとり、マイナスになれば、口座を強制的に閉鎖してしまいます。

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