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2014年バックナンバー

定期昇給とベースアップ

定期昇給とベースアップ(ベア)との違いについてご存じでしょうか。

 「定期昇給」とは、年齢や勤続年数に応じて給与が上がることです。
 「ベースアップ」とは、給与の水準そのものを引き上げることです。


  「ベースアップ」の「ベース」とは「賃金表」のことです。
 賃金の計算の基礎になることから、「賃金表」を「ベース」と呼んでいます。
 退職金は、賃金表の「基本給」×「○○」と計算されますから、ベアがあれば退職金も上がります。

 「定期昇給」とは、会社にもよりますが、賃金制度に「毎年1回、定期に賃金を改定する」と定めている場合が多く、年齢・勤続に伴って賃金が上昇する仕組みとなっていることが多いです。
 地位が上がらなくても、極端にいえば、平社員のままでも、年齢・勤続に伴って賃金が上がります。
 「年功賃金体系」と呼ばれています。
 「定期昇給」は、下方硬直的で、いったん上がった水準からは、懲戒処分などの特別な事情が無い限り、賃金が増える一方で、減ることがありません。

 このところ、サラリーマンの給与の平均は下がってきました。
 残業が少なくなったということと、非正規雇用が増えて、平均給与を押下げていることがいわれています。


 もちろん、平社員から係長、係長から課長補佐、課長補佐から課長、課長から次長、次長から部長と昇格すれば、それぞれの地位に応じた賃金(役職手当)がもらえます。


 長引く不況の影響で、ベアなんてとんでもない、定期昇給制度そのものを廃止する企業も出てきていました。
 少し業績がよくなっても、一時金(ボーナス)の増額をするくらいでした。
 また、デフレが長い間続きましたから、ベアは必ずしも必要ではありません。
 定期昇給は、子供が大きくなっていくのですから、必要でしょう。


 トヨタなど自動車大手と日立製作所など電機大手は、リーマン・ショック以来、実に6年ぶりとなるベアを実施します。上げ幅も最近にない高い水準です。

 安倍首相が主導した政労使会議が、平成25年末に、賃上げの重要性を確認し、それを踏まえて、経団連が業績改善企業にはベアも容認する姿勢を示しました。

 アベノミクスを含め、現政権の「手柄」といっていいでしょう。
 内閣支持率は高止まりです。
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