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2014年バックナンバー

大阪弁護士会の即独支援

弁護士増加により、司法修習生の就職状況は厳しくなっています。

 今までは「イソ弁」になるのが当たり前でした。
 ボス弁(雇用者)の事務所に入所し、一定額の固定給を受取りながら、事務所の事件をこなし(一定の歩合給をもらえる場合があります)、自分の個人事件の収入もあり(収入の一定のパーセントは、事務所に上納するのが通常です。事務所の事務員などを使っていますから)、それなりの収入があります。

 数年すれば、独立して自分の事務所をつくってもいいわけですし、従前の法律事務所の共同経営者(パートナー)になってもいいわけです。


 給料をもらう勤務先をみつけられない修習生はどうするのでしょう。

 「軒弁」あるいは「即独」ということになります。

 「軒弁」は、外見からすると「イソ弁」と区別がありません。
 違いは、給料をもらえるかどうか「だけ」です。
 「だけ」と言っても、天と地ほどの差があります。
 「軒弁」は、基本的には、机と椅子と電話を利用させてもらえるという程度です。
 お金は自分で稼がなければなりません。
 自分の生活費も、弁護士会費も、国民健康保険も、すべて自分で稼がなければなりません。

 「即独」は、自宅を事務所として開業したり、何人かが一緒になり事務所をもつということです。
 やはり、お金は自分で稼がなければなりません。
 自分の生活費も、弁護士会費も、国民健康保険も、すべて自分で稼がなければなりません。
 なお、自宅を弁護士事務所にするのは危険です。
 刑事事件の関係者が自宅に来るかも知れません。
 DVがらみの離婚事件で、行方をくらました妻の居所を知るためにと、夫が事務所に来るかも知れません。弁護士や事務員が、相手方本人に殺害される典型的なパターンです。

 大変な時代になったものです。


 「大阪で即時開業等をお考えの皆様へ」をご覧ください。


 大阪弁護士会では、入会するにあたっては、会館負担金会費40万円が必要ですが、最長4年の分割納付が可能で、月額1万6000円の一般会費と月額8000円の会館特別会費のディスカウントがあります。
 もっとも、これは、イソ弁もおなじことです。

 即独に限って受けられるサービスもあります。
 「軒弁」は、給料をもらえないだけですから、除外されています。

 独立開業にあたって必要となる資金及びその後の運転資金についての有益な情報を提供します。また、平成25年3月より小規模オフィス紹介制度「SoffioSystem」という制度があるようです。

 事件受任後の法律事務の処理などについて迷ったときに必要な助言、意見交換を行なうためのメーリングリストがあるようです。
 大阪弁護士会館図書室の入り口近くに、新人独立弁護士等に有用・有益であると思われる図書を一括で開架しています。
 もっとも、このくらい「買ったらどう」という位の数の本です。

 「指導委託制度」があるようです。
 新人独立弁護士等が、大阪弁護士会会長から委託を受けた支援担当弁護士による指導を最長1年間受けられるとのものです。


 抜本的な問題解決の方法はなさそうです。

 「同情するなら仕事をくれ!」「同情するなら金をくれ!」という声が聞こえてきそうです。

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