2014年バックナンバー
北朝鮮上の民間航空の通過
北朝鮮は航空機向けの警報を出さない状態で、平成26年3月4日午後4時17分に放射砲弾を発射しましたが、中国南方航空機は、直後の4時24分にこの付近を通過したそうです。
発射体の高度は20km以上で、旅客機は高度約10kmを飛行していたそうですが、発射体の高度は0mから20kmまであがっていたでしょうから、危ないことは危ないのでしょうね。
通常、民間航空機は、北朝鮮の上空は飛びません。
関西国際空港からヨーロッパに飛ぶときは、北陸から日本海に出てロシアを通るか、渤海や黄海を通って韓国を東西に横切るかどちらかです。
もっとも、北朝鮮が、予告なしに、領空外に発射体を発射することは想定されていないと思います。
ちなみに「発射体」は、最大射程距離180km(推定)の「KN-09」(米軍のコードネーム)という300ミリの大口径新型放射砲(多連装ロケット)だったそうです。
ノドンやテポドンではありませんから、日本にまでは届きません。
日本に危険があるミサイルではないことになります。
もっとも、最高速度はマッハ5.2、全長は6.37メートル、弾頭重量は150キロというスペックだそうです。
弾道ミサイルの場合は価格が高価なため、一気に数十発以上を発射するのは現実的に難しいとされていますが、多連装ロケットの場合は、若干正確度で劣りますが、数百発から数千発単位で集中的に発射できます。
弾道ミサイル対策としては、PAC3(韓国では未配備)が「有効」とされていますが、数百発から数千発単位で集中的に発射できる多連装ロケットに対応できるはずもありません。
北朝鮮が実戦配備すれば、ソウルはもちろん、平沢米軍基地や烏山米軍基地、水原空軍基地、忠州空軍基地、瑞山空軍基地などの空軍基地が射程内に入ることになります。
といってもわからないでしょうが、韓国の北半分くらいまで届きます。
ある意味、北朝鮮が、韓国を攻撃することになれば、ソウルはもちろん、韓国の北半分まで、数百発から数千発単位で集中的に発射できる多連装ロケットで「火の海」になります。
韓国に、危機感がないのはなぜでしょう。