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2014年バックナンバー

司法試験受験回数の緩和

政府は、平成26年3月4日午前の閣議で、司法試験の受験回数制限を現在の「5年で3回」から「5年で5回」に緩和する司法試験法改正案を決定しました。

 平成27年度の司法試験から適用されますから、平成25年度の司法試験で3回不合格だった受験生も、法科大学院修了後5年以内であれば、司法試験の受験が可能です。

 受控えがないとすると、去年3回目の不合格の受験生は、来年とあと1回受験できることになります。
 受控えがないとすると、今年3回目の不合格の受験生は、あと2回受験できます。


 改正案は、短答式試験の科目数を現行の7科目から3科目(憲法、民法、刑法)に減らすことも盛込んでいます。


 現行の受験回数では、チャンスが限られているため受験資格を得てもすぐに受験しない「受控え」が増えていました。
 改正案は受験生の心理的負担を軽減するのが狙いで、今国会での成立の予定です。


 制度制定当初「5年で5回」ではなく「5年で3回」とした趣旨がよくわかりません。
 法律家に「縁」がなかったものとあきらめるのが5年というのは、妥当かどうかは別として、それなりの合理性があります。


 どんどん廃校になっている法科大学院ですが、低い合格率をごまかすため、「5年で3回」という制度にしたのではないかと勘ぐってしまいます。

 「5年で3回」なら、成績不良の卒業生に、「どうせ合格は無理だから、バッターボックスにたつだけ損」と因果を含めて「受控え」をさせたのではないでしょうか。

 成績不良の卒業生が受験しなければ、当該法科大学院の合格率は上がります。
 もちろん、成績不良でも「何かの間違い」で合格するということもありえますが、確率は低いです。

 成績の振るわない法科大学院の存続のためにもうけられた「5年で3回」ではないでしょうか。
 あまり、他に理由は考えられません。


 なお、今年はじめに、関西地区・司法修習32期の新年会があったのですが、ある法科大学院の教師をしている弁護士が、裏事情として「予備試験合格者は増やす方針」と教えてくれました。
 もっとも、どれだけ正確かはわかりません。

 法科大学院制度が、正しかったか誤りであったかという問題ですね。

 法曹人口の増加のためだけなら、単に、司法試験の合格者を増やせばよかったように思いますが、「法科大学院制度」は、利権のためにもうけられたという「陰謀説」も、あながち間違っていないのかも知れません。
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