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よもやま話 バックナンバー1/2

効率的?無精?

ガウスという数学者がいます。

 10歳のとき「1から100までの数をたすといくつになリますか」との算数の出した問題に、他の生徒が、1+2+3・・と計算しているときに、さっさと「できました。5050です」と答えたそうです。
 1+100 2+99 3+98という「101」の「かたまり」が「50」個ありますから5050になりますね。

 この前、ある消費者金融業者から長期間お金を借りていた債務者が死亡し、死亡した後も、死亡した債務者の預金口座から、何回か引落とされていたという事件がありました。相続人は2人です。遺言はありません。
 死亡のずっと前に過払いになっているので、相続人から委任を受けて不当利得返還請求訴訟を提起しました。
 事実関係に全く争いはありません。

 理屈から言えば、相続人ごとに、死亡した債務者から各2分の1を相続した不当利得返還請求権と、死亡後自分たちが2分の1ずつ権利を有する預金から引落とされたことによる不当利得返還請求権をそれぞれ計算し、それを合計して、請求するのが本筋でしょう。

 私自身は無精をして計算しました。
「 貸主が利息制限法に違反する貸付をしている場合、貸主の側から見ると、一連の貸借について、誰が出捐していたとしても、返還すべき不当利得の額(元金および遅延損害金)は同じになる。便宜、出捐者を無視して計算する」「本件は、相続人は2人、遺言がないから、原告らが請求する金額は同額、被告が返還すべき金銭を計算し、それを2分の1で割ればよい」
 そうすれば、同一人が借入返済をしているのと同じ利息制限法に引直す計算ソフトがつかえ、計算式も1枚だけですみます。
 数字は外注したものを貼付けるだけです。
 現実に、時間はかかりませんでした。

 被告の方も、支払うべき金額は、分けても分けなくても同じと考えたのでしょう、私の計算方については争わず、遅延損害金を除いた元金の6割での和解を希望するという答弁書でした。

 結局、裁判官が納得せず、相続人ごとに、死亡した債務者から各2分の1を相続した不当利得返還請求権と、死亡後自分たちが2分の1ずつ権利を有する預金から引落とされたことによる損害賠償請求権をそれぞれ計算し、それを合計して、請求させられました。
 結局、計算は合いました。
 ただ、合うまでに、ずいぶん手数がかかりました。

 無駄な労力のような気がして仕方がありません。 

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