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よもやま話 バックナンバー1/2

マスコミ報道の「公平」

新聞報道などで、A社(あるいはA個人)がB社(あるいはB個人)に対し、民事訴訟を提起したという記事が掲載されています。

 これは、当然の話ながら、原告であるA社(あるいはA個人)が、マスコミに連絡したからです。

 これに対し、「B社(あるいはB個人)の話」「訴状が届いていないのでコメントできない」と「紋切り型」のコメントが掲載されていることがよくあります。

 訴訟を提起したからといって、相手方(被告)に訴状がすぐいくわけではなく、訴状は受付係で形式的なチェックをし、補正を求める必要があれば補正をさせて、機械的に担当部に送付します。
 担当部では、裁判官(長)により、訴状審査がなされ、必要に応じて補正を促し、基本的には「被告が欠席すれば原告勝訴の判決ができるという状態になった」ところで、やっと期日指定がなされます。
 ちなみに、弁護士の質の低下から「訴状受付から期日指定まで、何回もやりとりをしている間に半年以上かかった」と言われる裁判官もおられるくらい、ひどい訴状を出す弁護士がでてきたという、なさけない状態になってきているそうです。 

 ということですから、訴状提出から期日指定まで、早くても1週間程度、遅ければそれ以上かかります。
 マスコミに掲載される事件ともなれば、チェックに時間がかかりますから、当然時間がかかります。

 ということで、原告が訴状を提出した段階で、被告のところに取材にいっても、訴状が届いているはずはありませんから、「訴状が届いていないのでコメントできない」と「紋切り型」のコメントにならざるをえません。

 ただ、マスコミとしては、一方に「肩入れ」してはならないという立場から、当事者双方のコメントをとったという形で報道するのが普通ですから、どうしても、「訴状が届いていないのでコメントできない」と「紋切り型」のコメントが掲載される事件が多くなります。


 最初からわかっていることで無意味なようですが、意外なところで「意味がある」ということになります。

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