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よもやま話 バックナンバー1/2

ダフ行為?

 その昔、海外旅行の添乗員は、それなりの収入を得て、役得もあったそうです。

 たとえば、フランス地下鉄のカルネ(10枚綴り。10枚11.1ユーロ、一枚1.4ユーロの値段。現在「Ticket」と印刷されています)を、単純に1.4ユーロで、カルネを買う度胸のない顧客から枚数分の価格で売却して差額を自分のものにしていたそうです。10枚売っても3ユーロですが・・・
 もっとも、今みたいに円が高い時代ではありませんから、それなりの副収入になっていたそうです。

 そういえば、日本でも、大昔のことですが、市電などで、ばら売りの切符を売っている「おばちゃん」がいましたね。11枚で10枚の代金の回数券のばら売り。
 どうせ、客は、運賃を現金で支払うわけですから、電車待ちの時間に切符を買っておけば好都合ですし、小銭がないときに両替することなく、釣り銭をもらえるというのはメリットでした。
 もちろん、ばら売りの切符を売っている「おばちゃん」には、10枚売れば、1枚分の利益があります。

 プリペイドカード、電子マネーの普及などの理由で、日本では、最近は見なくなりました。
 もちろん、日本では、ダフ行為で、迷惑条例で罰せられる可能性があります。

 現在でも、発展途上国(もはや、発展途上国といえないような国でもあります)の貧困層の商売の一つです。
 日本も豊かになったということかもしれませんね。

 ただ、金券ショップでやっているのは、これと理屈は全く同じです。
 11枚の切符を1枚の単価より安く売りますが、新幹線などはともかく、近距離線(大阪環状線など)は購入価格に10分の11をかけると、回数券購入価格と大差なかったりします。
本来は、金券ショップは、交通費名目でヤミの現金をつくろうとして回数券を購入した企業や、多重債務者が、クレジットで購入した回数券を売却に来るわけですから、買値はずっと低いはずです。
 つまり、2重に利益を得ていることになります。

 金券ショップといえば、特定区間といって、大阪・三宮などのJRの価格が安くなっていることを利用して、当該区間、あるいは、他の区間を組み合わせて片道2枚(大阪・灘間の切符と三宮・姫路間の切符に分割)の切符にして売却していますから、この場合、3重に得をしています。

 ただ、金券ショップは競争が激しいですから、やはり、自ずと適正価格(仕入値+利益)に収束していっているようです。
 といっても、昔、金券ショップを営む個人事業者の自己破産の申立代理人をしたことがあるのですが、人件費や、狭いながらも一等地で商売していますから、利益は知れています。究極の「薄利多売」です。売上高の高さと、利益率の低さに「びっくり」したことがあります。特に「売上高」など、1つ「0」が多いのではと思いました。

 金券ショップを利用しようとする人は、他の店と比較して購入する手間を惜しまない人が多いようですから、激戦にもなりますね。
 ところで、新神戸の地下鉄から新幹線のホームに行く通路に、金券屋があります。社用族を除けば、知ってる人は誰でも買うでしょう。梅田で買うより、少し「お高め」ですが・・

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