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よもやま話 バックナンバー1/2

世代間格差

世代間格差という言葉があります。
 以下のグラフをご覧下さい。若干古く5年前の資料です。


 生涯で、各個人が、国や地方自治体から受ける各種サービスと年金の合計と、国や地方自治体に支払う税金・社会保険料が各世代ごとに記載されています。

 10年ごとのグラフになっていて、昭和29年生まれから昭和38年生まれの層で、一生涯に国や地方自治体に支払う税金・社会保険料と、一生涯で国や地方自治体から受取る各種サービスと年金の合計が等しくなっています。
 もちろん、それより前に生まれた人は「受益」が「負担」を上回り、それより後に生まれた人は「負担」が「受益」を上回ります。

 これは、各個人の平均であり、個人間に「受益」の差、「負担」には大きな差があります。

 日本の年金制度は、自分が年金として支払った保険料分を積立てて、支払った本人が受け取るという「積立方式」ではなく、現役世代の保険料負担で高齢者世代の年金給付に必要な費用を賄うという「賦課方式」をとっています。
 この方式自体は、他の国も同様なのですが、日本の少子高齢化の進行が早すぎ、世代間格差が大きくなってしまっています。

 これは、有権者に高年齢層が多く、また、投票率が高いことから、是正される見込みは全くありません。民主主義国家の宿命ですね。

 私は、昭和30年生まれですから、どちらかといえば「受益」が「負担」を若干上回る世代ということになります。

 以上は、あくまで平均の話で、各個人となれば、かなり異なります。
 所得の多寡によって大きく異なりますし(所得が多いほど、「負担」が「受益」を上回ります)、また、長く生きるかどうかによって、大きく異なります(長く生きるほど、「受益」が「負担」を上回ります)。

 私自身は、どれくらい生きるかについてはわかりませんが、平均より若干長く生きても(一般に、弁護士の労働時間の長さ、不規則さなどによる体の酷使、仕事の内容によるストレスは他の人よりはるかに大きいですから、長く生きられる確率は高くありません)、「負担」が「受益」を上回わるでしょうね。


 私より高齢者の方でも、「負担」が「受益」を上回わる方はおられるでしょうし、私より若くても、「受益」が「負担」を上回わる方はおられるでしょう。

 年金を支払うが嫌だといって未納のまま放置する若い人は、将来、無年金あるいは年金額がわずかになって、生活保護という形で、「受益」が「負担」を上回わることになるでしょう。

 日本は、民主主義をとっているとともに、憲法で「健康で文化的な生活」を保障しているからです。他の人の税金の負担のもとではありますが・・

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