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よもやま話 バックナンバー1/2

チャンネル数

我が家にテレビが入ったのは、今上天皇陛下のご成婚(昭和34年4月10日)のことですから、私が3歳のときです。今年が、ご成婚50年記念ですから、50年前ですよね。

 関西地方のテレビ(VHF)は、そのころから、2(NHK総合)、4(毎日)、6(朝日)、8(関西)、10(読売)、12(NHK教育)の6チャンネルです。
 前のコラムにも書きましたが、なぜ、テレビに、奇数チャンネルがついているのかということ自体が不思議でした。

 大学に行くため東京に行ったときは、奇数のチャンネルがある、ということは1チャンネル多いということはわかりましたが、基本的に、東京キー局のテレビ番組を、系列の関西のテレビ局で流していることが多いので(もちろん、関西オリジナルの番組もあります。評判が良く、全国ネットということもあります)、チャンネルの換算をすればいいだけで、放送の曜日や時間帯は同じですし、どの番組の次はどの番組がくるかとか、裏番組も当然同じです。

 今でこそ、UHF局ができて、テレビ番組のチャンネル数は増えましたが、その昔は、地方に行くと、NHKは2チャンネル入るのですが、民放は、2局、極端な場合は民放1局という地方もありました。
 私が、高松地方家庭裁判所の裁判官をしていたときは、民放が2局しかなかった記憶があります。
 観光地では、テレビを見ることはあまりありませんから、民放局の局数に興味はありません。

 50年間たって、VHF放送にUHF放送が加わったということはあり、地方のチャンネルは増えたのですが、東京や大阪の地上波の放送局数は増えていません。

 これは、無料でチャンネル数を増やしてしまうと、CMを出向する会社の数は変わらないので、顧客が分散化され、儲からなくなるからといわれています。
 制作費がかかる日本のテレビのチャンネルは、50年たっても増えません。
 アメリカなどは、ケーブルテレビの加入者からお金をもらえるので、CMが少なくても、制作費が稼げたくさん、テレビ会社が出来てもやっていけます。
 もっとも、従前の番組や古い映画を流し続けているのみの局というのが多いですが・・

 ドイツなどに行くと、地上局の局数はありますが、ごくわずかのニュース、オリジナルの番組、サッカーなどのスポーツを除けば、古いドイツやアメリカの映画、日本のアニメなどが流れているだけです。
 ちなみに、日本のアニメの主人公(ドラえもんや、クレヨンしんちゃんなど)が、流暢なドイツ語を話しているのを見ると、不思議な気がします。

 なお、地方局の経営はどうなっているのでしょう。
 キー局が作った番組に、地方局が自分たちで取ってきた広告をつけて放送するのであれば、地方局は、コンテンツについて、キー局にお金を払わなければなりません。
 しかし、キー局のコンテンツとともに、キー局の広告を番組を流せば、払うどころか「電波料」がもらえる仕組みになっています。
 つまり、地方局は、番組付きの広告を配信して提供元のキー局からお金をもらっていることになります。

 視聴者は、報道、ドラマ、バラエティなどのコンテンツに、NHKと異なり無料だから広告がついていると考えがちですが、放送局側からいうと全く逆、広告を主に考えて、報道、ドラマ、バラエティなどのコンテンツが広告について来るという発想をします。

 また、なぜ、地方には、民放局が少ないのでしょうか。
 地方では、開局申請をすればTV放送局を作れる状態にあります。
 しかし、経営が成り立たないでしょう。
 すでに、先発局が「良い」番組は押さえて放送してしまっていて、他局のネットに入っても、それまでのつきあいから先発局が放送ネットしていた番組はもらえず、人気のない番組のみになってしまって広告がつかないからです。
 また、小規模の、ローカル枠を埋めるための費用を賄えないというのが実情のようです。

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