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よもやま話 バックナンバー1/2

地獄への道

 「地獄への道は善意で舗装されている」という格言をご存じでしょうか。

 日本で用いられている格言は、中国由来のものか、ヨーロッパ由来のものかが比較的多く、案外、日本固有の格言は少ないものです。
 「地獄への道は善意で舗装されている」という格言は、ヨーロッパ由来のものです。

 意味は「良かれと思って行ったことが悲劇的な結果を招いてしまうこと」「悲惨な出来事が皮肉にも善意の行いが発端となっていること」です。

 例えば、借地・借家の関係で、日本は先進諸国に比べて、異常なまでに借手有利な法制度をとっています。
 よく考えてみれば、他の先進諸国には、日本ほど人の住めるスペースが狭い国がないといっていいほどですから、借手を保護するのは当然といえるかも知れません。

 ただ、土地や建物は、いったん貸せば永遠に戻ってこない、無理に戻そうとすると法外な立退き金を出さなければならないと考え、宅地にできるような土地を遊休地のままにしたり、駐車場にしたりする地主が多かったことはご存じの通りです。
 もっとも、この点は、地価が下がっていること、また、少子高齢化で土地あまり、家あまり(親が持ち家の一人っ子どおしが結婚すれば、将来、両親の家1軒が余ります)があって、そういった傾向も緩和されてきています。

 また、労働法関係でも、労働者の権利を厚くしてしまいますと、おのずから正社員として雇用することには慎重になり(いったん、ババを引けば、無用なだけでなく、有害となります)、パートや派遣など非正規雇用に頼らざるをえなくなり、景気が悪くなると悲惨な状態になります。

 パートや派遣の権利を厚くすると、企業が、国内や国外の企業との競争に敗れ去ります。


 なかなか、うまくいきませんね。

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