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よもやま話 バックナンバー1/2

農耕民族と狩猟民族

日本人は農耕民族、欧米人は狩猟民族といわれます。

 日本人も太古の昔は別ですが、稲作をするようになってから、米などの穀物の収穫をして安定した生活をするようになっています。

 この場合、あまり「競争」する必要はありません。

 近所の農家で上手に米を作っているかをみて、それを「まねる」ことが一番の得策です。
 つまり、畦のつくりかたからはじまり、種まき、田植え、収穫、精米などの方法、種まき、田植え、収穫などの時期(収穫時期を間違えますと、台風で大被害を受けます)などを「まねる」ことにより、最大の収穫が得られます。

 もちろん、あざとい農民は、他の農民が「へま」をして、生活に困り、他を担保に「稲」を借り、結局、返済不能で土地を取上げて自分の田を広げるということもありうるでしょうが、治安は悪化しますし、「村八分」になるのは嫌でしょう。さらに、集団での略奪などはごめんこうむりたいでしょう。
 また、種まき、田植え、収穫などの時期を、他の農民に知らせない方法はありません。

 通常、日本の農民は共生(win-win)が基本でした。
 種まき、田植え、収穫を手分けして行うなど、共存共栄が一番好ましいのです。

 狩猟は違いますよね。
 獲物は限られているわけですから、自分が獲らなければ、他人に獲られてしまい、自分には、よい「獲物」にありつけず、餓死の危険がありますから、当然競争社会(win-lose)になってしまいます。

 ということで、欧米は狩猟民族ですから、「食うか食われるか」の競争社会になったといわれています。

 教科書的な説明で、実際はそう単純なものではありませんが、「あたらずといえども遠からず」ということでしょう。

 日本も、次第に、競争社会化しているといわれています。
 あまり、弁護士がいうのも何ですが、権利意識の高まり、競争社会化により、訴訟が頻繁に起きるということは、個人的に好ましくないと思っています。
 現実に、世間体などもあり、訴訟数はあまり増えるとも思えません。
 単純に、弁護士1人あたりの人口数を比較することは誤りでしょう。

 弁護士が大増員されていますが、それに見合う需要はなく、結局は、一部の弁護士が所得を増やすだけで、大多数の弁護士が、「working poor lawyer」になっていくような気がします。
 私は、自分自身、他の弁護士を押しのけてまで競争社会を生き抜くことは、できるだけしたくありません。押しのけることは「今のところ」という限定付ですが「できる」とは思いますが・・
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