司法 バックナンバー 2/3
裁判官の報酬
「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない」
憲法のこの規定の趣旨は、裁判官が圧力や経済的事情に左右されることなく、職務に専念できるようにするためであって、司法(裁判官)の独立(身分保障)の一つであるとされています。
地位に相応しい報酬が保証されてこそ、身分保障が実効性あるものになるためであり、その延長線上に減額禁止の原則が導き出されるとされています。
ただ、憲法の規定に反して、裁判官の報酬が減額されてきています。
「平成15年・裁判官の報酬等に関する法律改正案」 、 「平成15年・裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律」 をみれば、平成15年に裁判官の報酬が下がっていることがわかります。
また、 「平成17年・裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律」 をみれば、平成17年に裁判官の報酬が下がっていることがわかります。
さらに、 「平成19年改正=現行・裁判官の報酬等に関する法律」 により平成19年に裁判官の報酬が下がっているようです。
今度(平成21年)は、 「裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案」 が可決成立の見込みです。
どれだけ下がっているのか、ある「号」で比較するしかないので、試しに判事2号報酬で見てみましょう。
20年経つと、裁判官は全く報酬を教えてくれなくなります。
各裁判官により差が出るからです。普通は法曹経験20年で判事3号報酬に上がります。
判事2号報酬は、私と同期(司法修習32期)で「大方このくらい」という勝手な想像です。もしかしたら上もいるかも知れませんし、下もいるでしょう。
ただ、勤務成績がよくない人は、判事4号報酬で止まっているはずです。
報酬月額
以前 1,160,000 100.00%
平成15年 1,146,000 98.79%
平成17年 1,142,000 98.45%
平成19年 1,066,000 91.90%
平成21年 1,063,000 91.64%
かなり減額されています。
また、ボーナス(期末手当)も減っています。
ただ、都市調整手当は、地域にもよりますが、上がってきています。
裁判官全員の同意を擬制しているわけですが「心の中では」反対している人が多いでしょうね。