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司法 バックナンバー 2/3

弁護士さんとうつ病

平成20年の自殺者は3万2249人という統計になっています。
 そのうち、原因・動機が遺書や関係者の話などから判明したのは2万3490人です。
  このうち何件かは、実は殺人事件・・というのはサスペンスドラマの見過ぎかも知れません。

 「うつ病」がきっかけとなった人が6490人、ついで「身体の病気」で5128人、「多重債務」が1733人、その他の負債が1529人と続きます。

 あまり表面に出ることがないのですが、弁護士会の役員の方々からうかがったところによると、弁護士さんにも「うつ病」に罹患している方が増えているそうです。
 「仕事をやる気力がない」として事件を放置しておくようで、それなら事件を受任しなければとも思うのですが、それは「異常ではない」「弁護士」の考えだそうです。

 弁護士が対依頼者で怠ってはならないといわれているのが「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)といわれています。

 事件を受任して、着手金を支払っているのに、いつまでたっても訴状を書いてくれたり、調停申立書を書いてくれたりする気配がない、「どうなっていますか。連絡を下さい」と連絡しても連絡をくれない、場合によっては、事務員に居留守を使うよう指示しているようにしか思えないということがあったら要注意です。
 また、指示されてもいない書類準備の不備を理由に「遅れている」とする弁護士さんにも要注意です。

 もちろん、弁護士は多忙です。例えば、従業員多数の法人破産の事件を受任したり、緊急を要する大きい仮差し押さえ・仮処分の事件を受任したりすれば、従前からの事件の準備書面など提出期限が決まっていますから、どうしても、提訴や調停申立て前の事件は「後回し」になります。
 ただ、そんな状態が長く続くはずもありません。

 2、3ヶ月くらいなら、一時的に事件に忙殺されているという可能性もありますが、半年、一年と経つと「異常事態」と考えた方がいいでしょう。

 依頼者のためでも、その弁護士のためでもありますから、どうしても連絡が取れなければ、弁護士会の「市民窓口」(大阪弁護士会の呼称。弁護士会の「カスタマーサービス」)にいってみることをお勧めします。

 弁護士は、通常、多い少ないはあっても、会派や同期などの人間関係があります。
 当該弁護士と親しい弁護士を通じて、本当かどうか、本当ならば、どうなっているのか連絡が行きます。
 なお「本当かどうか」確認するのは、後記のとおり、勘違いしている依頼者がいるからです。


 当該弁護士が、仕事ができる状態にないという場合は、着手金を返してもらって、他の弁護士さんに依頼するのが賢明です。当該弁護士さんにやってもらおうと思っても、また同じようなことになる可能性が大きいです。

 弁護士も人間ですから、他の人たちと同じく、肉体的、精神的な病気に罹患します。
 自分にとって傷が深くならないうちに対処した方が賢明です。


 もとより、着手金を約束どおり支払っていないのに仕事をする弁護士さんはいません。
 分割の約束なら、分割金を約束どおり支払っていれば仕事をしてもらえます。

 弁護士さんにもよりますが、かかえている事件数が、30件や40件、あるいはそれ以上という弁護士が多数でしょう。
 自分1人が、弁護士さんに頼んでいるわけではないということは頭においておいた方がいいと思います。自分1人の事件の着手金で、法律事務所が経営していけるかどうか考えれば簡単なことですね。
 普通の弁護士さんなら、あまり、頻繁に連絡を取ろうとしない方が賢明です。
 黙っていても時期が来れば処理してもらえます。
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