司法 バックナンバー 2/3
不審な預金口座
私たちが持っている普通の預金は、その都度その都度入金され、公共料金やクレジットカード代金等が定期的に引き落とされる他、必要な金額のみしか出金されませんから、波のように増減が繰り返され、あまり「0」には近づきません。
一般の方は、あまり見ないかも知れませんが、犯罪が関与している預金には特徴があります。
まず「雷型」「稲妻型」と呼ばれる預金ロ座です。
入金されたかと思うと、すぐに、キャッシュカードでおろせない1000円未満の端数を残して、全額引き下ろされます。
入金のたびに、すぐ引下ろされますから、
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という形になります。
なお、預金通帳は右側欄が入金、左側が出金欄です。
どういう預金ロ座が「雷型」「稲妻型」になるかといえば、振込め詐欺、ヤミ金のロ座です。いつ「ロ座凍結」されるかも知れませんから、入金されるや否や、すぐ引き下ろすのです。
また、脱税のためのロ座も、「雷型」「稲妻型」になるといわれています。
税務署に隠すつもりの取引先からの入金のみですから、そこからの公共料金などの引落としがあるわけではないため、入金されると、程なくして全額出金されるのです。
次に「逆L字形」という預金ロ座があります。
入金が何回か続いて、1回で、キャッシュカードでおろせない1000円未満の端数を残して、全額引き下ろされます。
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という形になります。
どういう預金ロ座が「逆L字形」となるかというと、振込め詐欺の預金ロ座といわれています。
現在、10万円以上の振り込みには、身分証明書がいりますから、10万円ずつ何回もわたって振込ませ、あるいは、10万円ずつ何人にも振り込ませたうえで、1度に引き出しますから、「逆L字形」となります。
本来は、銀行がコンピュータシステムで全てのロ座を監視していれば、これらの不審なロ座の検出は可能です。
みずほ銀行が、比較的、監視に熱心です。
他の銀行が、不審なロ座に「おざなり」なのは、銀行にとって、コストだけかかり、損にも得にもならないからです。
これに対し、信販会社は、ほぼ例外なく、コンピュータシステムで利用内容を監視しています。
これは、不審な使われ方をしたカードを発見し、それ以降の不正使用防止のため、カードを無効にするためです。
たとえば、普通は、公共料金やプロバイダー料金などだけが落ちたり、飲食や本などしか購入していないカードで、ブランドもののバッグや宝石・貴金属が複数回購入されているとなると、誰が見ても不自然ですよね。
信販会社は、銀行と違って、不正使用のリスクを負担しますので、不正利用監視システムが充実しています。
私自身、「○月○日に○○買いましたか?」「カード紛失してませんか?」という電話が入った経験があります。やはり、普段のカードの使用方法と違うときでした。
結構見ているなということになると、そのカードをメインカードにしても安心と考えることができます。