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司法 バックナンバー 2/3

事件数

最高裁判所の司法統計に、「一審事件数」という一覧表があります。

 全新受事件の最近5年間の推移(全裁判所)
平成15年
 民事事件 352万0500
 家事事件 68万3716
平成16年
民事事件 317万3083
家事事件 69万9553
平成17年
民事事件 271万2896
家事事件 71万7769
平成18年
民事事件 262万1139
家事事件 74万2661
平成19年
民事事件 225万5537
家事事件 75万1499

平成16年4月からは、離婚・離縁の訴訟事件が、家庭裁判所から地方裁判所に移管されましたので、「民事事件」から「家事事件」になっています。

 弁護士数の変化は以下のとおりです。
 平成15年 2万0263
 平成16年 2万1185
 平成17年 2万2021
 平成18年 2万3189
 平成19年 2万5062

民事事件は明らかな減少傾向、家事事件は多少の増加傾向にあります。
 民事事件は、本人訴訟(特に金融業者の訴訟)が多く、家事は本人の調停が多いので、直接、弁護士の関与している数には結びつきません。

 弁護士数が増えても、事件数は増えるどころか減少傾向にあることがおわかりになると思います。
 つまり、ざっくりいうと、弁護士一人あたりの事件数は、事件数は年々減ってきています。

弁護士数が増えると、国民が訴訟が提起しやすくなって訴訟が増えるというのは誤りということが統計的に明らかですね。

 明らかに、弁護士一人あたりの事件数は、減っています。
 また、今、地方裁判所の法廷に行くと、サラ金相手の過払金返還請求事件が増えています。訴訟をしないとテーブルにつかない業者が多いためで、審理など全くなく、訴訟外の示談で終了する事件が大半です。地方裁判所の「通常の」民事の事件数は、統計よりずっと少ないとみていいでしょう。サラ金相手の過払金返還請求事件は、いずれ、あと少しで枯渇します。

 事件数が少なくなったという弁護士さんがおられます。若手だけではなく、ベテラン、中堅を問いません。

 また、事件数が少なくならなくても、若い弁護士さん、特に、「軒弁」「即弁」といわれる、「イソ弁」になれなかった弁護士さんはダンピングせざるを得ませんから、多数の弁護士が、ダンピング競争につきあわされ、事件あたりの単価は安くなる傾向になるでしょう。

 事件数は少なくなり、単価は下がり、弁護士が「ゆでがえる」となるのも、時間の問題かも知れません。


 (平成20年12月29日追記)

 平成19年度の一審事件数は225万5537件でした。
 平成20年度の一審事件数は、前年比20.3%の伸びだったそうです(法曹時報60巻11号249頁)
 約270万件、長期低迷に歯止めがかかり、平成17年度の水準に戻したことになります。
 問題は、弁護士が関与している事件数です。

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