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旅・交通 バックナンバー2/2

時刻表

 最近は、一部、ネットに取って代わられていますが、「時刻表」は隠れたベストセラーといわれます。

 現在、「JTB時刻表」と「JR時刻表」の発行部数は公称70万部。これはあらゆる月刊誌の中でもトップクラスのものです。ロングセラーにしてベストセラーです。

 ただ、今やパソコンを使えば、時刻・ルート・運賃といったものが瞬時に検索できる時代となり、重たい時刻表を持ち歩く必要もありません。
 いずれ時刻表はその使命を失ってしまうかのようにも思えます。

 実際、発行部数は年々減り続けているそうで、ベストセラーというのも昔語りになりつつある状況は否めません。

 皆さん、時刻表は、普通に読めますよね。
 たいていの人は読めます。
 どの電車で行って、どこで乗り換えれば、いつ到着するなど時刻表をみればわかります。
 日本の電車は、幹線があり、その支線があり、そのまた支線があるなど比較的簡明です。網目状に電車が走っているわけではありませんから。

 案外、一般のドイツ人は、時刻表は読めません。
 私も、ドイツに住んでいたときに、時刻表(Kursbuch)を持っていましたが、日本ほど簡単ではありません。列車の本数は少ないんですが・・
 ドイツでは、出発の列車種類(特急・急行・普通など)と、行き先、到着時間などは、各駅に張り出しています。ボンからケルンに行くなどという場合は簡単です。
 しかし、乗り換えが必要な場合はどうでしょう。
 ドイツは、電車が幹線、支線ではなく、網目状にはしっていますから、どこの駅で乗り換えれば効率がよいのか、時間帯により異なることがありますし、案外、思いつきもしないルートが早かったりします。

 コンピュータが発達していなかったころは、乗客は、長距離で、乗り換えを含む場合は、切符購入と同時に、どの電車に乗り、どこの駅で、どの電車で乗り換えればいいかなどの情報をもらっていました。
 私がドイツに留学していた当時、駅員は、分厚い時刻表を手慣れた手つきで検索し、手書きで、どの電車に乗り、どこの駅で、どの電車で乗り換えればいいかなどの情報を書いてくれていました。
 ですから、長距離切符を購入しようとすると、長い行列に並ばなければならなくなります。
 これを緩和するため、既に切符を持っている人などのために、比較的大きな駅には「切符購入はできない」「情報のみ」を教えるという専用の窓口があったくらいです。

 今、日本でも「緑の窓口」で、お年寄りや、旅行慣れしていない人が、電車の接続などについて、駅員さんに聞いていますね。

 なお、現在は、ドイツでは、時刻表ではなく、コンピュータで検索しています。
 ずいぶん早くなりました。
 手書きの案内文は「達筆すぎて」読みにくかったのですが、今は、コンピュータに入力してプリントアウトしたものをくれますから、読みやすくなりました。

 現金ではなく、ドイツ鉄道の専用クレジットカードを持ち、家庭・職場のコンピュータによりプリントアウトされた「旅程表」と、クレジットカードを見せれば決済できるようになっていますから(ドイツの鉄道、というよりヨーロッパの鉄道には改札はありません)、長距離切符を買う=列に並ぶというのは、当然のことではなくなりました。

 でも、プリントした「旅程表」を持って、検札に北駅員さんに、クレジット払いをしているのは、スーツを着たビジネスマンくらいでしょうか。
 一般人は、近距離なら自動販売機、遠距離なら窓口で購入しているようです。

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