旅・交通 バックナンバー2/2
オイルサーチャージはなぜ下がらない
航空会社のオイルサーチャージは、シンガポールケロシン市場の価格に連動しています。
オイルサーチャージは高止まりのままです。
全日空を例にとると、オイルサーチャージの仕組みは以下のとおりになっています。
「全日空の燃油特別付加運賃」
シンガポールケロシンの市場価格を基準価格を基準としていますが、 「シンガポールケロシンの市場価格」 の表はガロン・セントを基準にしていますから換算は必要です。
米ドルが基準ですから、円に換算する必要はありませんが、1石油バレル=42米ガロンという換算が必要です。縦目盛りに0.42を掛ければ、表の「1バレル当たり何ドルか」という値が出ます。
全日空の場合は、1年を4期に分けた3ヶ月ごとの更新です。
現在(平成20年10月1日から平成20年12月31日)のオイルサーチャージの基準は、平成20年5月1日から平成20年7月31日までのシンガポールケロシン市場価格の平均に基づいて計算してます。
また、平成21年1月1日から平成21年3月31日のオイルサーチャージの基準は、平成20年8月1日から平成20年10月31日までのシンガポールケロシン市場価格の平均に基づいて計算します。
平成21年1月1日から平成21年3月31日のオイルサーチャージは、値下がりが期待できるかも知れません。
参考のために 「原油価格の推移」 を示します。劇的に下がったのは10月ですから、平成21年4月1日から平成21年7月31日のオイルサーチャージに期待しましょう。
もっとも、航空券発券時の価格ですから、夏休みに間合いそうにありませんが・・
よく「原油やガソリンが下がっているのにサーチャージが高いんだ」という人がおられますが、上記のようなタイムラグがあるからです。
また、航空会社は、スポット価格ではなく、先物で原油を購入していますから(原油を備蓄しているわけではありません。念のため)、今、飛んでいる燃料の価格は、ばか高い燃料です。
ただ、日系会社が、他の国の航空会社に比して、オイルサーチャージ名目で暴利をとっていることは間違いないでしょう。