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旅・交通 バックナンバー2/2

ビジネス需要の少ない路線

関西国際空港から国際線撤退があいついでいます。

 関西国際空港は成田国際空港よりも着陸料の高い空港です。しかし、仮に、関西国際空港と成田国際空港の着陸料を、そっくりそまの「逆」にしたところで、その傾向は全く変わらないと思います。

 飛行機を仕事のために(ビジネス)で利用する人は、出発間際に飛行機利用が決まったりすることが多かったり、予定の変更がある可能性が高いので、エコノミークラス利用でも、予約変更が可能な高い運賃や、ビジネスクラスの利用をする方が多いのです。

 これに対し、観光客は、日程がずいぶん前から決まっていて、それに基づいて有給休暇などを取っているなどしていますし、もちろん、エコノミーの座席をとっています。
 日程が決まっているエコノミーの座席は、ビジネスの座席に比べてずいぶん安いものです。

 ヨーロッパにビジネスの普通運賃で行くと110万円かかり、エコノミーの普通運賃で行くと79万円かかります。
 予約変更いつでも可、払戻し可など自由自在の運賃です。なお、エコノミーの普通運賃の場合「プレミアエコノミー」という広い座席に座ることができます。

 正月、盆、ゴールデンウィークなどは、エコノミーの料金は、25万円くらいに高くなることもありますが、安いときには、10万円以下となります。
 最低でも4倍、最高10倍以上の差がつきます。
 グリーン車が普通車の1.5倍というのと「わけ」がちがいます。

 あまり、おおっぴらにはいわれませんが、ファースト>ビジネス>貨物>エコノミーとさえいわれるくらいです。
 貨物が機内食を食べたり、CAに余計な注文をしたりはしません。


 関西本社の大企業が、どんどん東京に本社を移したり、本社機能を移したりしています。
 ビジネスマンの主張は、東京からが大半で、関西からはごくわずかです。

 ということは、関西国際空港からアメリカやヨーロッパ(特にロンドンなど)に行く飛行機は、ファーストクラスやビジネスクラスは「がらがら」、エコノミーが満員状態となったところで、不採算になります。

 航空会社の経営が順調ならば、関西国際空港発の便をとばすだけの余裕があるのでしょうが、今、どこの航空会社の経営も苦しいですから、外見にかまっている余裕はありません。


 なお、関西国際空港でアジア路線は頑張っています。

 それは、関西の企業に、アジアで生産をしていたり、市場に注目している企業が多いので、比較的ビジネス需要が見込まれるからです。
 ツアー客も、安価なアジアに安定した人気があり、割引運賃でも、長距離の欧米線と短距離のアジア線で、それほど運賃額に差がないため、欧米線よりも利益が出しやすいということもあります。また、貨物の需要も見込めます(路線維持には、貨物が多いというのも、重要です)。

 また、東京からアジアに行く時には関西国際空港経由でいく人が多いようです。
 成田国際空港は、東京都心から遠いので、羽田空港から国内線で関西国際空港まで行き、乗り換えたほうが早くて便利なこともあります。
 長時間のフライトなら、成田国際空港に行ってもいいと思う人でも、短時間のフライトなら、関西国際空港経由でいいやということもあります。方向的にも「逆」ではありませんし、関西国際空港は、2階が国内線、4階が国際線と移動の必要もありません。


 減便する時に、関西国際空港発と成田国際空港発のどちらを残すかという選択で、欧米線は、成田国際空港発を残すということであり、アジア諸国へは関西国際空港発が関東の人でも便利だから今後も続行されるということです。

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