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旅・交通 バックナンバー2/2

リクエストしないと運行されないバス

 日本でも、バスの「間引き」が時々ニュースになります。
 10分程度に1本の頻度のバスを間引いたというくらいでニュースになるのですから、毎日4本や5本のバスを、1本間引かれたら大変です。

 ところで、フランスの「モン・サン・ミシェル」(Mont Saint-Michel)というフランスの観光地をご存じでしょうか。

 「モン・サン・ミシェル」はフランス西海岸に浮かぶ小島に築かれた修道院で、カトリックの巡礼地のひとつです。なお、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
  ヨーロッパ最大の干満差が観測され、かつては満潮になると島への道が消えてしまったそうですが、現在は堤防によって結ばれ、潮の満ち引きに関係なく訪れることができます。
 オムレツが有名ですね。LDLコレステロールたっぷりという感じの大きさです。

 駐車場には「ここからは、満潮時に水に浸かりますから自動車を止めないでください」との標識が各国語で記載されています。日本語の記載は、さすがにありません。

 日本人は、「モン・サン・ミシェル」が好きなようで、パリなどへのツアーに入っていますし、個人で行くことも多いようです。
 1日ツアーは、パリから片道5時間をかけてバスで行きます。
 個人でいくならは、早朝、パリからTGVでレンヌ駅まで1時間30分かけて行って、連絡バスに1時間30分揺られてたどり着くということになります。
 TGVとバスの連絡は良好です。

 本来は、1泊して、ライトアップされる夜景や、満潮で道が海に沈むところを見たいところです。
 島内にもホテルはありますし、近辺のホテルでも、ライトアップされた外観は見られます。

 私は、島内で1泊したことがあります。
 ヨーロッパの若い女性が、病気で倒れたらしかったのですが、狭い階段状の道なので、消防の人も大変なようでした。

 連絡バスは、島外に時刻表があるのですが、ビニールパウチされたもので、海水面下になってもいいような工夫です。現実に、バス停の標識は、水面の下になっていました。

 1日分ののバスの時刻(といっても、4、5本ですが・・)をメモして、一番早朝のバスに乗ろうとしました。
 何かわからない注釈と電話番号が記載されていましたが、気にすることはしませんでした。

 出発時刻の15分前にバス停にいると、わずかの日本人と、英語をしゃべる白人旅行客がいました。
 定刻になっても来ず、15分待っても来ないため、待っていた乗客が、次のバスの時刻まで、ホテルに帰って時間をつぶそうと散っていきました。

 次のバスは、ちゃんと定刻に来ました。
 というところでわかったのですが、最初のバスは、電話でリクエストしておかなければ自動的に運休になるバスだったようです。
 せめて、英語で付記されていれば理解できたのでしょうが「さすが」にフランスですね。

帰りのバスは、運転手が「なじみ」の客が降りるたびに話し込んで、予定より15分くらい遅れてレンヌの駅に着きましたが、TGVも遅れていたので予定どおりの電車に乗れました。

 いまは、インターネットで、あんな田舎のバスの時刻表を見ることができます。
 英語のページもあります。
 今はもう、早朝のバスは廃止されているようです(厳密には、運行されていますが、モン・サン・ミシェルのバス停には寄らないこととなっているのでしょう)。
 日本人は文句はいわないのでしょうが、おそらくアメリカ人あたりが猛攻撃をしたような気がします。

 それにしても、電話でリクエストしないと運休するバスというのもめずらしいですね。

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