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旅・交通 バックナンバー2/2

ローレライ

未だに、ライン下りとローレライは、日本旅行者にとって、ドイツ旅行のハイライトの一つのようです。
 ただ、ライン下りは、ブドウ畑と中世の古城群がありますが、ローレライは「世界3大がっかり」に入るとさえいわれています。

 日本の方は、この歌詞(の日本語訳)を 想像するのでしょうね。日本語訳の歌詞は、ほぼ完璧な翻訳です。

Loreley

Ich weis nicht, was soll es bedeuten,
Das ich so traurig bin,
Ein Maerchen aus uralten Zeiten,
Das kommt mir nicht aus dem Sinn.
Die Luft ist kuehl und es dunkelt,
Und ruhig fliest der Rhein;
Der Gipfel des Berges funkelt,
Im Abendsonnenschein.

Die schoenste Jungfrau sitzet
Dort oben wunderbar,
Ihr gold'nes Geschmeide blitzet,
Sie kaemmt ihr goldenes Haar,
Sie kammt es mit goldenem Kamme,
Und singt ein Lied dabei;
Das hat eine wundersame,
Gewalt'ge Melodei.

Den Schiffer im kleinen Schiffe,
Ergreift es mit wildem Weh;
Er schaut nicht die Felsenriffe,
Er schaut nur hinauf in die Hoeh'.
Ich glaube, die Wellen verschlingen
Am Ende Schiffer und Kahn,
Und das hat mit ihrem Singen,
Die Loreley getan.

(Christian Johann Heinrich Heine )

 ただ、ローレライは、ライン川右岸にそびえる、高さ約120メートルの絶壁を持つ岩山です。
 人魚がローレライの岩に座り、ここを通過する船乗りを惑わして、よく船が座礁・沈没したという伝説が残っていますが、どうやって、120メートル上の人魚が見えたか不思議ですよね。

 ただ、このローレライの岩がある地点はライン川の中でも川幅が非常に狭いところの一つで、蛇行し、川底も浅いため座礁しやすい地点であることには間違いありません。
 平成15年9月に、遊覧船(KD Koeln-Duesseldorfer社。最大手 )が座礁していました。

 昔、船長や乗組員が、ここいらあたりで座礁して「私たちに責任はない。ローレライがしたことだ。不可抗力であって賠償責任はない」と主張したのでしょうね。
 もっとも、海事審判で「Die Loreley getan」と判断してくれたかどうか疑問ですが・・

 ちなみに、私がドイツに留学していたころ、麓のプレートに「Loreley」という表示と並んで、「ローレライ」とカタカナの表示がありました。完全に日本人向けです。
 ドイツ人は、お得意さまの日本人に喜ばれると思ったのでしょうが、残念ながら、異国情緒がそがれるとして、きわめて不評だったようです。
いつのまにか、黒く塗りつぶされ、いまはもう跡形もなくなっています。

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