司法 バックナンバー 1/3
獄中の中国人にノーベル平和賞
中国の人権改善や民主化に取り組む姿勢が評価されたとのことです。
なお、ノーベル賞といえばスエーデンと連想されそうですが、平和賞のみノルウェーです。
民主化活動家などの政治犯が受賞する事も多く、しばしば授賞をめぐって国際政治的問題となる事があります。
ノルウェーは、あちらこちらで「喧嘩」を売っていますね。
昭和35年には、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策に抵抗したルツーリ・アフリカ民族会議(ANC)議長
昭和50年には、ソ連の物理学者で民主化を求めたサハロフ博士
昭和53年には、ポーランドの自主管理労組「連帯」を率い、政府に抵抗したワレサ元大統領
平成元年には、チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世
平成3年には、ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者、アウンサンスーチー氏
がそれぞれ受賞しています。
ちなみに、東アジアでは、劉暁波氏は、日本の佐藤栄作元首相、韓国の金大中元大統領に次ぐ、ノーベル平和賞受賞となっています。
ちなみに、韓国と中国本土では、すべてのノーベル賞をあわせても、上記の各平和賞1個ずつだそうです。韓国人は「現在のところ」ノーベル賞に縁がないことはいうまでもありませんが、中国人は、結構ノーベル賞を受賞している気がします。外国在住の中国人が受賞しているということですね。
劉暁波氏は、民主化を求める学生らが抑え込まれた、平成元年に発生した天安門事件の指導的知識人として脚光を浴び、その後、何度も逮捕されながら民主化運動を続けてきました。
平成21年春、08憲章を起草したとして国家政権転覆扇動の疑いで逮捕され、平成22年2月に懲役11年と政治的権利剥奪2年の実刑判決が確定し、服役中です。
授賞式出席のための保釈は・・間違ってもなさそうです。
そもそも、受賞を知らされているのでしょうか。
ちなみに、受賞前、ノーベル研究所のルンデスタッド所長(オスロ)は、中国の傅瑩外務次官から「授賞は、中国とノルウェーの関係に否定的影響を及ぼす」と「警告」されたと明らかにしました。
ノルウェーは「痛くもかゆくも」ありませんね。
また、平成22年10月8日、中国各地で8日、ノーベル平和賞の受賞者を発表する様子をノルウェーから生中継していた米CNNテレビの画面が、現地時間の午後5時4分から12分まで真っ黒になったそうです。
NHKのニュース番組の放送も同時刻、アナウンサーが「ただいま、ノーベル平和賞のニュースが入ってきました」「中国の人権活動家の劉暁波さんに決まりました」と言った直後に停止し、関連のニュースが終わると復旧したそうです。
いずれも、中国当局が劉氏への授賞を国民に知らせないために操作したとみられます。