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平均のマジック
代表値の1つで、代表値は、「平均値」(mean)、「中央値」(medium)、「最頻値」(mode)があります。
「平均値」は、全ての観測値の総合計を、観測地の総個数で割ったものです。
「中央値」は、測定値を大きさ順に並べたとき、ちょうど中央に位置する値です。
「最頻値」は、最も度数の多い測定値のことです。
一般的には、「平均値」ではなく、「中央値」や「最頻値」が実感に近いことがあります。
勤労者世帯の平成18年の世帯平均貯蓄額は1250万円です。
「えっ!そんなにあるの?」と思う人は多いはずです。
下の図面を見てください。
通常、平均といえば、身長や体重を思い浮かべます。
身長や体重は、「正規分布」という「つり鐘型」の分布をしますから、「平均値」は、「中央値」であり、また、「最頻値」であることが多いのです。
貯蓄は違います。
少ない人は「0」です。これ以下にはなりません。
多い人に「きり」はありません。
高額の貯蓄がある世帯ほど、全体に占める割合が低くなっていますね。
「4000万円以上」となっていますが、何億、何十億、何百億という貯蓄がある人もいるでしょう。
少数の大金持ちが全体の平均値を押上げているため、実感より、かなり高めの平均値になります。
このようなデータ分布の場合は、いわゆる平均値ではなく、「中央値」や「最頻値」で見るべきでしょう。
「中央値」は757万円です。
年収の多い世帯から少ない世帯に並べた場合、あるいは、年収の少ない世帯から多い世帯に並べた場合、ちょうど「真ん中」の世帯の預金額は、757万円ということですね。
なお、「最頻値」は「0円以上200万円以下」ということです。
多いですね。
私たち弁護士がよく見る破産者は、「マイナス」です。ただ、預金は、わずかにありますが、200万円はないでしょう。
「借金世帯」も含まれています。
必要以上に落ち込む必要もありませんが、必要以上に勇気づけられるというものではありません。