トリビア バックナンバー 1/2
人口オーナス
「人口オーナス(onus)」という言葉をご存じでしょうか。
「onus」は、英語で「重荷」を意味します。
「人口オーナス(onus)」というと、「ある国の人口構成で、高齢人口が急増する一方、生産年齢人口が減少し、少子化で生産年齢人口の補充はできず、財政、経済成長の重荷となった状態」をいいます。
日本は、バブル崩壊直後あたりから、少子高齢化の「人口オーナス」期に入っています。
それまでは、どうだったのでしょうか。
「人口ボーナス(bonus)」と呼ばれます。
第二次世界大戦後、かつての「多産多死」社会から「少産少死」社会へと移行し、その中において、高齢者と子供がともに少なくなり、生産年齢人口が相対的に増えていきました。
生産年齢人口がどんどん増えるので、経営者は、労働者は無尽蔵であるという錯覚に陥り、賃金を抑える傾向が強かったです。
日本の高度成長を支えたのは、生産年齢人口が増え、賃金が比較的低額に抑えられたからです。
高度成長を支えた要因の一つです。
もちろん、「人口ボーナス(bonus)」があれば経済成長ができるというものではなく、国民の教育の高さ、勤勉性、独創性などによるもので、日本は、これらを兼ね備えていたので高度成長が可能だったわけです。
日本は「人口オーナス(onus)」期、つまり、人口が経済発展にとって重荷となった状態になっています。
日本人の性格上、外国人労働者の受入れは考えないでしょうから、少子高齢化が、経済の負担になるということは間違いありません。
政治家は、簡単に「経済成長」「経済成長」といいます。
しかし、現実問題として、「経済成長」は難しいでしょう。
「経済成長」が見込めないことを前提に、「最大多数」の「最小負担」と考えを切替えるのが賢明です。